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よく見られる大人の病気・症状(大人の日常起こりやすい症状や病気について、写真やイラストを用いて分かりやすく解説しています)

いびき

Dr.みやけ

寝ている本人は気にならないし気がつかないことが多いのに、そばで寝ている人にとっては大迷惑ないびき。

加えていびきの間に呼吸がしばらく止まると、このまま息をしないのではないかと気になります。
疲れたり、お酒を飲んで寝るといびきは誰でもかくことがあります。
うるさいからといって無視しないでいびきについて考えてみましょう。

いびきの原因

常にいびきをかく人は、男性では5人に一人、女性では20人に一人といわれています。
女性では閉経後にいびきをかく人が増えてきます。このうち1~2割の人が睡眠時無呼吸症候群であると考えられています。

起きているときはのどは周囲の筋肉で支えられています。
眠りにつくと筋肉がゆるみ、のどの奥の軟口蓋(いわゆる「のどちんこ」)や舌が落ち込んで、空気の通り道をじゃまするようになります。
疲れやお酒がいびきを起こすのは、眠りが深くなり筋肉のゆるみが増すからと考えられます。

ゆるんだ軟口蓋が振動して起こるのが振動型いびきで、呼吸の周期に合わせてリズミカルないびきです。
軟口蓋や舌が落ち込み、空気の通り道が狭くなる狭さく型は苦しそうな息が止まりそうになるいびきです。狭さく型のいびきは無呼吸症候群を引き起こす可能性が高く、注意が必要です。

いびきと肥満

いびきは肥満、あごが小さい・引っ込んでいる、扁桃腺が大きい、鼻が詰まりやすい人に多くみられます。もっとも多いのは肥満の場合です。

舌の奥やのどの奥(咽頭)は脂肪がたまりやすい場所なので、肥満の人は舌も太くなり咽頭が狭くなりがちです。
舌が太く咽頭がせまいと、睡眠中に筋肉がゆるみ気道が圧迫されやすくなります。つまり太った人はいびきをかきやすくなります。
体重が増加するにつれ、いびきが強くなり眠気が出る例が多くなります。
体重が変わらないのに、運動不足や中年太りのためにビール樽のように首周りやおなかに脂肪がつくにつれて、いびきや無呼吸が悪くなることもあります。

いびきを軽くする方法

いびきは睡眠中に筋肉がゆるみ、軟口蓋や舌が重みのために落ち込むために起こります。
仰向けにねると落ち込みが激しくなります。横向きに寝ると、落ち込みは小さくなり空気の通り道も確保されやすくなります。
振動型のいびきではこれだけでも軽くなることがあります。

また減量するのもいびきが軽くなる重要な方法ですが、無呼吸を伴う狭さく型ではまず専門家による診察が必要になります。
睡眠時無呼吸症候群と診断されれば、補助呼吸法(鼻CPAP療法)などで症状を軽くしながら、同時に減量をはかることが大切です。

睡眠時無呼吸症候群(イラスト1)

危険ないびき:4つのポイント
図1危険ないびき:4つのポイント

睡眠時無呼吸症候群では無呼吸(10秒以上の呼吸の停止)がしばしば(1時間に5回以上)起こり、眠りが浅くなるため熟睡感が得られず常に睡眠不足に陥り、昼間に強い睡魔に襲われるようになります。
いびきがしばらく止まり(平均30秒、長いときは1分以上)、その後あえぐような激しい息、またはいびきで呼吸が再開する特徴があります。

息が止まってそのまま死んでしまうのではないかと不安に襲われますが、そのようなことはふつうはありません。
無呼吸が長くなると血液が低酸素となり、これが刺激となり脳が短時間目覚めることによって、呼吸する命令を出すようになります。
このような覚醒反応が一晩に数百回も起こるため、睡眠はとぎれとぎれの浅いものになってしまいますが、本人の自覚はあまりありません。周囲の人が注意してあげることが大切です。

朝目覚めたとき熟睡感に乏しく、頭は重く、昼間は強い睡魔に襲われ、集中力も低下してしまいます。このようなとき交通事故などを起こしやすいことが指摘されています。

また無呼吸のため低酸素血症になりやすく、心臓や血管の負担が大きくなり、高血圧、心筋梗塞、脳卒中などにかかりやすい危険性があります。

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