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歩くと足の裏に激痛:モートン病

Dr.みやけ

歩くたびに、足裏に強い痛みが走るモートン病は、くぎを刺されたようだ、頭にズキンと響く、などと表現されるほどつらい痛みです。

とくに足を後に蹴り上げたり、足先に体重がかかったりした時に痛みが強く、足の指先にしびれが出ることもあります。モートン病は、ほとんどが靴やスポーツが原因で発症すると考えられています。

歩くと足の裏に激痛:モートン病

足裏の神経は、内くるぶしを通り足の裏から指先へと枝分かれしています。足指の根元には、中足骨と呼ばれる骨と、中足骨をつなぐじん帯が有り、足指先へと別れる神経の束が、このじん帯の真下を走っています。

長時間歩いたりかかとの高い靴を履いたりして外部から強い負荷がかかると、神経がこすれて炎症を起こし、痛みや腫れが生じ、時には腫瘍のようなものができることもあります。昔は神経腫と呼ばれていましたが、実際は腫瘍ではなく、まさつで神経が炎症を起こす絞扼性(こうやくせい)神経障害というものです。

エックス線では異常が見つからず、第2-3指間(または第4-5指間)の根元部分に一ヶ所圧痛点があれば、モートン病の疑いが強くなります。40歳代以上の女性に多く、外反母趾との関連も考えられています。外反母趾の足は開張足といって、足の甲が横に広がっているため、指のつけ根部分に負担がかかりやすいからです。

痛みや炎症の改善には、まず靴を見直すことが先決です。かかとの高い靴を避け、足底板という中敷きで指のつけ根部分を持ち上げ、家の中ではスリッパを履くなどして足先の負担を減らします。

ファッション性を求めるあまり、きつい靴をがまんして履いていると、モートン病を悪化させる恐れがあります。痛みや炎症が強い場合は神経ブロック注射を行い、重症なら手術で痛みを起こしている神経の剥離や切除を行うこともあります。

足裏の症状を訴える人のうち、モートン病と診断できるのはわずか1割程度です。大半は別に原因があり、ときには腰や血管の二次的な症状として現れる場合があります。自己判断しないで必ず専門医の診断を受けましょう。

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