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よく見られる子どもの病気・症状

強度近視

Dr.みやけ

放置していると失明の危険もある病気を強度近視と呼びます。一般的な近視とどう違うのでしょうか?

成人の眼球はふつう直径24mmの球形ですが、近視では眼球が変形し、眼軸長という眼球の前後方向の長さが25~26mm程度に伸びます。

近視が進み強度近視になると、眼軸長は27mm以上になり、屈折度を表す「ディオプトリー(D)」はマイナス8D(12.5cmまで近づけるとはっきりと見える程度)を超えます。日本では40歳以上の42%が近視、20人に1人が強度近視との報告があります。

原因は遺伝的要因と環境的要因の両方の関与が考えられます。

正常な目と強度近視の目

強度近視は眼球にかなり負荷がかかった状態で、物を見るのに重要な視神経や網膜の中心部の黄斑部の障害が起こりやすくなります。ひとたび障害が起こると、眼鏡などで矯正しても改善されません。

放置するとやがて、どれだけ手元に近づけてもはっきり見えない、見ようとする所が見えない、物がゆがむ、視野が欠けるといった症状が現れ、網膜剥離などの合併症が起こりやすくなります。

強度近視では眼球がもろくなっているため、軽い外圧で出血することがあります。日常生活では目をこすったり、押したり、ぎゅっと目を閉じるなど、眼球に圧力をかけないように注意します。近視を助長するスマートフォンやゲーム機なども、できる限り避ける方がよいでしょう。

近視を助長するスマートフォンやゲーム機なども、できる限り避ける方がよいでしょう。

1ヶ月に1回は自分で見え方をチェックするようにします。カレンダーやマス目など、毎回決まった物を見て確認します。その際、片目ずつ行います。異変を早期に発見でき、合併症の予防につながります。

強度近視の子どもには将来の失明のリスク回避のため、眼底検査が勧められます。小学校低学年なら屈折度がマイナス4D、高学年ならマイナス6D越えが強度近視の目安とされます。

近視は身近なものですが、強度近視まで進めば失明に至ることもあるため、眼底検査などで病的な徴候がないか定期的に確認することが大切です。

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