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よく見られる子どもの病気・症状

熱中症

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高い気温、湿度のもとで起こりやすい、さまざまの体調の病的な変化を総称して熱中症といいます。熱中症の中には、気分が悪くなる程度の軽いものから、全身の機能全から意識障害、死に至る重症のものまで含まれます。

原因はクーラーのよくきいた涼しい室内から、急に炎天下に出たときなど急激な温度差が原因になることが多いのですが、炎天下でのスポーツや作業などで体温が急激に高くなったときにも起こります。程度の軽いものから大きく分けて、症状や原因について述べましょう。
熱中症はこのように気温が高い夏に発生することが多いのですが、春秋にも発生しており、冬でも気温がある程度上昇すると、ふだんあまりトレーニングをしていない人が無理なランニングをして起こることがあります。

日射病

気分が悪くなる、めまいや失神を起こすこともあります。日射病は手足などの末梢血管が太陽の熱によって、または熱の放散を高めるために拡張しそこに血液がプールされるために、一時的に脳や臓器の血流量が減少して起こってきます。

体調の変化に気がついたら、とりあえず涼しいところに移動させ、衣服をゆるめます。そして水分を補給して足を高くし、頭を低くして体の中心部に血液が流れやすくします。

熱けいれん(イラスト1)

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熱けいれんと熱疲労
(イラスト1)

前ぶれがなく急にこむらがえりや手足、腹筋の痛みを伴ったけいれんを起こしてきます。全身の倦怠感、頭痛、吐きけを伴うこともあります。原因は多量の発汗により水分以外に塩分も失われ、塩分の補給がなされないと血中の塩分濃度が低くなり、手足、腹部の筋肉がけいれんを起こしてくるためです。

応急処置としては、風通しのよい場所に静かに寝かせて、衣服をゆるめ、頭部を低くし、両足をやや高めにします。吐きけがないときには、うすい食塩水(0.1〜0.2%)やスポーツドリンクを飲ませます。けいれんを起こしている筋肉には温かいタオルで湿布を行い、けいれんを静めます。ふつう生理食塩水を飲ませると容易に回復します。

熱疲労(イラスト1)

炎天下や屋内の高温下運動では、どんどん発汗して、そのために体から塩分を含んだ水を多量に失っているにもかかわらず、それに応じた塩分と水分を補給しないでいるときに起こってきます。
 全身の脱力感・倦怠感、めまい、頭痛、口の渇き、吐きけなどの症状から始まり、ひどいときには失神を起こします。体温の上昇は著明ではなく、多量の発汗(2〜3リットル)があり、血圧低下、皮膚蒼白、意識障害を起こすこともあります。

応急処置としては、涼しいところに移動させ、頭部を低くして寝かせ、食塩水やスポーツドリンク(コップ半分くらいを15分ごとに)を飲ませます。同時に冷水タオル、アイスパックを用いて体温を下げるようにします。ふつうはこのような処置で速やかに回復しますが、経口摂取ができないなど意識障害を伴うときには、次に述べる熱射病に移行しやすいので、点滴による補液が必要となり、医療機関に受診する必要があります。

熱射病(イラスト2)

熱中症の中でもっとも重篤で、異常な体温上昇により中枢神経障害を起こしてきます。夏期炎暑時に起こりやすく、死亡率も約25%と高いので指導者の責任も重大です。熱射病は高温・多湿下で発汗しにくくなる条件があると、体温が放射されずにうっ積し、脳や肺、心臓などが傷害され、ついには体温調節中枢も障害され、種々の症状が現れ、はなはだしい場合には死に至ることがあります。

熱射病は直射日光下で起こったものを日射病と呼び、それ以外のものを総称して熱射病と呼びます。しかし習慣上、日射病が種々の熱中症の中で軽度のものを指すこともあります。

1)前駆期:

全身が焼けつくように熱くなり、急に言葉が少なくなります。顔面は紅潮し、多量の発汗をして、呼吸がはずんでいます。この時期に発見して、早く休息させて手当てすれば、多くはまもなく回復します。

2)初期症状:

高熱のために、脳に障害が出てくる時期で、周囲に無関心で、口唇は乾燥し、眼は落ち込み、呼吸は非常に苦しそうで、口を開いて息をするようになります。意識が軽く障害されてめまいを訴えて、その場に倒れたりします。

3)極期の症状:

意識はますます障害され、顔面は紅紫色になり、呼吸・脈拍は促進して意識がなくなります。顔、額、首の筋肉にけいれんが起こり、昏睡状態になってきます。体温は直腸内で41度以上になり、発汗は止まって乾燥し、手足は熱くなります。脈拍は160/分以上となり、呼吸状態も悪くなってきます。

熱中症の応急処置の要点(イラスト3)

熱中症はごく短時間で症状が重くなることがあるので、本人が体調の不良を訴えたときや指導者が体調の異常に気がついたときには、速やかな応急処置をとることが大切です。手当の基本は休息と冷却、そして水分の補給です。

風通しのよい涼しい日陰に搬送し、衣服を脱がせて裸に近い状態にし、頭を少し低くして寝かせます。頭、顔、からだに水をかけ(霧にしてかける、タオルを濡らして何回もからだをふくなど)、かぜを当てて体熱を発散させます。水分の補給は2〜3リットルまでの発汗であれば水で充分ですが、それ以上の発汗があれば0.1〜0.2%の食塩水やスポーツドリンクの補給が必要となります。

体温の上昇や意識障害が少しでも認められたり、水分の経口摂取ができないときにはすぐに医療機関を受診する必要があります。

熱中症の予防のための10箇条

  1. 最初からトップギアーにいれないこと:夏の初めや合宿の初日には事故が起こりやすいので、高温下で運動をするには、体を高温に順化させる必要があります。
  2. 体重測定の習慣をつけましょう:毎朝起床時に体重測定し、前日の体重減少の80%が補われるように運動量を調節する必要があります。
  3. 水分の補給:運動時には30分ごとの水分補給が必要です。
  4. 電解質の補給を忘れずに:多量の水を補給すると血液中の電解質の濃度が低下することになり、筋肉の痛みやけいれん(熱けいれん)を起こしやすくなります。
  5. 運動強度と体温:運動強度が増すほど、体温が上昇します。したがって休憩時間や水分補給も増やさなければなりません。体重の3%の脱水が起これば、運動能力も低下することが分かっています。
  6. 天候と体温:とくに湿度が重要で、同じ気温でも湿度が高ければ、汗の量も増し水分補給の必要性も増加します。湿度90%以上では厳重な注意が必要です。
  7. 衣服の問題:放熱を助けるように、汗のついた衣服は着替えたり、休憩中にはできるだけ衣服をゆるめ、熱を発散させる工夫をしましょう。
  8. ハイリスクの人には気をつけましょう:熱中症を起こしやすいハイリスクのグループは、高温下のスポーツになれていない初心者や低学年者、肥満傾向の人、発熱など体調不良者、挑戦傾向のある人(無理をしやすい人)など。
  9. 熱中症の症状をよく知っておきましょう。
  10. 熱中症の救急処置を知っておきましょう。 
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