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女性と心臓・血管の病気

Ⅵ、更年期とコレステロール上昇

Dr.みやけ

コレステロール値の上昇している状態は「脂質異常症」と呼ばれます。

脂質異常症の管理目標は、性年齢、リスク因子の数や種類によってカテゴリーに分けられ、それぞれに目標値が決められています(日本内科学会「脳心血管病予防に関する包括的リスク管理チャート2015」より)。まず食生活や運動、体重管理などにより目標値以下に下げる努力をして、それでも目標に達しないときには抗コレステロール薬を飲む必要があります。

カテゴリー LDLコレステロール目標値
カテゴリーI:低リスク 160mg/dl未満
カテゴリーII:中リスク 140mg/dl未満
カテゴリーIII:高リスク 120mg/dl未満

リスク因子は以下の5つです。

  1. 喫煙
  2. 高血圧(診察室で140/90mmHg以上、家庭血圧で135/85mmHg以上)
  3. 低HDLコレステロール(40mg/dl未満)
  4. 家族歴(家族内に脳心血管疾患が多い場合など)
  5. 耐糖能異常(糖尿病)

*糖尿病、慢性腎疾患、脳梗塞、末梢動脈疾患の既往や合併がある場合は、性年齢にかかわらず、カテゴリーIII(高リスク)になります。

  リスク因子 40~59歳 60~74歳
男 性 1個 カテゴリーI カテゴリーIII
2個以上 カテゴリーIII カテゴリーIII
女 性 1個 カテゴリーI カテゴリーII
2個以上 カテゴリーII カテゴリーIII

(表:脂質異常カテゴリー)

このカテゴリー分類ではリスクがそれぞれ「低・中・高」と3つに分けられていますが、たとえば「中リスク」とは具体的にどのくらいのリスクなのかあいまいですし、薬を飲む基準もはっきりしません。かなり古い基準になりますが、「高コレステロール血症の管理基準」と題された次の表が、治療を受けるかどうかの一つの目安になるのではないかと思います。


(イラスト:高コレステロール血症の管理基準)

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