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女性と心臓・血管の病気

Ⅱ、若い女性と高安動脈炎

Dr.みやけ

高安動脈炎は、全身の大血管に炎症が起こる疾患のうちの一つです。

大血管とは、大動脈とそこから分岐する血管であり、頭や腕、足、内臓に血液を送る血管です。男女比は1:9で、20歳代の若い女性に好発しますが、高齢者でも起こることがあります。アジア、中東、南米に多くみられます。

侵される血管の部位により症状は異なりますが、共通するのは炎症に伴う発熱(微熱が長く続くことが多い)、倦怠感や疲労感などです。血管炎による頸部痛や胸痛などを自覚することがあります。
洗髪していると腕がだるくなる、血圧計で血圧が測りにくい、左右の前腕血圧に大きな差がみられる、立ちくらみやめまい、ときには失神が起こるなど、血管狭窄部位による虚血症状がみられます。

血管炎を起こす部位によって症状は異なりますが、血管炎の部位を上から圧迫すると鈍い血管痛が起こることが多いとされます。若い女性で、原因不明の発熱と頸部や腹部の太い血管を圧迫すると鈍痛を生じる時、さらに血液検査で原因の明らかでない高度の炎症反応がみられる時には、本症を考える必要があります。

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