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思うように下がらない高血圧、手に負えない高血圧「治療抵抗性高血圧」

6.まず少量の降圧利尿薬の追加

Dr.みやけ

レニン・アンジオテンシン(RA)系抑制薬やカルシウム拮抗薬を使用してもコントロールできない高血圧の例では、降圧利尿薬の少量追加がまず先決です。

それでも治療抵抗性を示す場合には、4剤目としてアルドステロン拮抗薬が海外では推奨されています。

多くの難治性高血圧の例では、それまでカルシウム拮抗薬やRA系抑制薬しか使用されておらず、利尿薬が投与されていない例が多くみられます。

高血圧治療ガイドライン2009では3剤以上の併用療法では少量の利尿薬を含めることを原則としています。しかし、わが国では利尿薬の使用頻度は依然として低く、各種調査によれば使用頻度は10%未満にとどまっています。
その主な理由は耐糖能低下(血糖が上昇する)と高尿酸血症などの代謝への影響、ナトリウムやカリウムの排泄作用などです。

しかし、少量であれば利尿薬の代謝系の影響は非常に少なく、食塩を取りすぎている日本人には利尿薬が効果的だと専門家は指摘しています。コントロール不良の患者の中には、利尿薬を適切に使えば降圧できる患者が非常に多いのです。

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心臓・血管の話

■治療抵抗性高血圧

  1. はじめに
  2. 降圧薬の種類
    1. カルシウム拮抗薬
    2. ACE阻害薬とARB
    3. アルファ遮断薬(α遮断薬),ベータ遮断薬(β遮断薬),アルファベータ遮断薬(αβ遮断薬)
    4. 利尿剤
  3. 高血圧の自覚症状について
  4. 高血圧治療におけるコントロール不良と治療抵抗性の要因降圧薬の種類
  5. 診察室でもっとも多い「なかなか下がらない高血圧」
  6. まず少量の降圧利尿薬の追加
  7. 治療抵抗性の切り札は「アルドステロン拮抗薬」
  8. 慢性腎臓病(CKD)と治療抵抗性高血圧
  9. 血圧の変動性
  10. ベータ遮断薬に期待される役割とは?

誰でも分かる「簡単な心電図の読み方」

分かりやすい動脈硬化

心房細動について


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