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心房細動について

5.心房細動の原因

心房細動には、原因が明らかな場合と、原因が明らかでない場合に分けられます。

原因の明らかな心房細動

心房細動を起こす原因の明らかな基礎疾患としては、心臓弁膜症、虚血性心疾患(冠動脈硬化症や心筋梗塞など)、高血圧性心臓病、心筋症などの他、高血圧症、糖尿病、甲状腺機能亢進症、貧血、低カリウム血症などが挙げられます。

心臓弁膜症は心房細動の重要な原因の一つです。心臓弁膜症は聴診上、心雑音が聴取されるほか、胸部レントゲンの異常、ドップラー心エコーで大動脈弁や僧帽弁の様子を観察することにより容易に診断できます。とくに僧帽弁に異常を認める場合には心房細動を起こしやすくなります。心臓弁膜症が原因の心房細動は血栓塞栓症を起こしやすく、ワーファリンが必要になります。

心筋梗塞を発症した後に心房細動を発症することもあります。高齢者ではまれに狭心症発作を起こさずに、心房細動が心筋梗塞の前ぶれとして起こることがあり注意を要します。

心筋症には肥大型心筋症と拡張型心筋症があります。心筋症のすべてが心房細動を起こすわけではありませんが、両者ともに心房細動の原因となります。心エコーで診断は比較的容易です。肥大型心筋症の中で心尖部肥大型心筋症はしばしばみられる比較的多いものです。特徴的な心電図(巨大陰性T波)からこの病気を疑い、心エコーで診断が確定できます。

甲状腺機能亢進症はふつうは若い女性に多くみられる病気です。中年以降の甲状腺機能亢進症では、心房細動がおもな症状のことがあります。甲状腺機能は血液検査で簡単に調べることができます。

心房には洞結節という電気的スイッチが存在します。洞結節の異常は心房細動だけでなく、上室性期外収縮という不整脈を起こしたり、脈が一瞬停止しする洞房ブロックを起こしたり、頻脈と除脈をくり返すことがあります。こうした一連の状態を洞不全症候群と総称します。心房細動が洞不全症候群のこれらのさまざまな不整脈とともに出現することがあります。

 

原因の明らかでない心房細動

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自律神経活動からみた心房細動の分類
(イラスト1)

しかし、このような原因が推測できる心房細動もあれば、原因が明らかでない心房細動もあります。ストレスや不規則な生活習慣が原因となり、自律神経活動の亢進が心房細動の誘因となる場合がそうです。ふつう一過性心房細動として発症しますが、これには3種類のタイプが知られています。(イラスト1)

(1)交感神経緊張型(発作は日中に多い)
運動、緊張、ストレスで起きやすく、とくに後発年齢や性差はありません。

(2)副交感神経緊張型(発症は夜に多い)
睡眠、安静、食後、飲酒後に起きやすく、60歳以下の男性に多くみられます。

(3)混合型
原因の明らかでない心房細動の多くはこうした自律神経緊張が原因と推測されます。一過性心房細動をくり返すうちに、心房の筋肉の変化が起こり慢性心房細動に移行してものと考えられます。

■心房細動の原因を推測していくことは、心房細動の治療、とくに血栓塞栓症の予防のためにワーファリンを投与するかどうかを決定する上でたいへん重要です。

4.慢性心房細動と一過性心房細動 << 目次にもどる >> 6.心房細動と血栓塞栓症

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■心房細動について

  1. 心房細動の心電図
  2. 心房細動と心拍数
  3. 心房細動の治療上の問題点
  4. 慢性心房細動と一過性心房細動
  5. 心房細動の原因
  6. 心房細動と血栓塞栓症
  7. ワーファリンによる血栓塞栓症の予防
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