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8.陳旧性心筋梗塞の心電図

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救急病院や循環器専門病院では急性心筋梗塞の患者は珍しくありませんが、一般の診療所で急性心筋梗塞の患者が来院されることは多くありません。これは急性心筋梗塞が突然発症するため、ほんどの場合は救急車で循環器専門病院に直接搬入されることが多いためです。

専門病院に緊急入院し治療を受け、病状が安定するまでに2、3ヶ月時間が経過するために、一般診療所では心電図変化も固定した患者をみることが多くなります。

前項の「VII..12誘導心電図の記録」では心電図変化の部位診断について説明しましたが、心筋梗塞の心電図変化は12誘導心電図の記録に最も深く関係しています。

 

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陳旧性心筋梗塞の心電図変化

時間の経過した心筋梗塞を陳旧性心筋梗塞といいます。陳旧性心筋梗塞の心電図変化の特徴は異常Q波です。異常Q波が12誘導心電図のどの部位に認められるかで、

1) 心臓のどの部位に心筋梗塞が起こったか?
2) 心電図の部位診断から責任冠動脈を明らかにすることができること
3) 合併症としての心室瘤の存在が分かること

などを知ることができます。

異常Q波(QS型)がrS型の変化として認められることがあります。異常Q波は心筋梗塞が貫壁性に起こったことを意味しますが、rS型は健常部分を残しながら梗塞を起こしていることを意味します。

心筋梗塞の範囲が広いと心室瘤が形成されることがあります。心室瘤が形成されると、時間が経過しても異常Q波に続いてSTは上昇したままです。心室瘤の診断は容易です。

下壁梗塞では、急性期に下壁誘導であるII、III、aVFにST上昇が認められるため急性心筋梗塞と簡単に診断できます。時間の経過とともに異常Q波が形成されるものの、たいへん小さく分かりにくくなってしまいます。陳旧性下壁梗塞では一見すると正常と診断される場合が多くあります。

陳旧性心筋梗塞の部位診断

前項の「VII..12誘導心電図の記録」で詳しく解説したように、心電図記録と心臓の部位には次のような関係があります。

I、aVL→左室(高位)側壁、
II、III、aVF→左室下壁、
V1からV2 →心室中隔、
V1からV4 →左室前壁、
V5からV6 →左室側壁

陳旧性心筋梗塞の心電図

下壁梗塞の例:心電図2、3
左室前壁梗塞および心室瘤を伴う梗塞の例:心電図4、5
左室前壁梗塞が冠動脈造影で明らかになっていても、典型的な異常Q波を示さないでrS型や心室内伝導障害を示す例があります:心電図6、7、8

 


(心電図 2)

 

(心電図 3)


(心電図 4)

 

(心電図 5)

 

(心電図 6)

(心電図 7)

(心電図 8)

 

心電図変化と責任冠動脈

 

(イラスト9)

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心臓の部位と冠動脈の血液には次のような関係があります。

左室下壁→右冠動脈、
心室中隔→左冠動脈前下行枝、
左室前壁→左冠動脈本幹、
左室側壁→左冠動脈回旋枝 の冠動脈病変が分かります。

まとめ

I、aVL →左室(高位)側壁 → 左冠動脈回旋枝、
II、III、aVF →左室下壁 →右冠動脈、
V1からV2 →心室中隔 →左冠動脈前下行枝、
V1からV4 →左室前壁 →左冠動脈本幹、
V5からV6 →左室側壁 →左冠動脈回旋枝


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