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写真画像で見る「子どもの病気」子どもの病気について説明は最小限にして、写真をできるだけ豊富にのせて解説しています。

水ぼうそう(水疱瘡・水痘)の詳しい説明と写真

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水ぼうそう(水痘)-写真15
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水ぼうそう(水痘)-写真16
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水ぼうそう(水痘)-写真17
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水痘とは

水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella zoster irus:VZV)の感染により起こります。VZVはヒトへルペス群の第3番目に属する直径約200nmのDNAウイルスで外周にエンベロープを持ちます。へルペス群特有の潜伏感染する性質があり、VZVの初感染像が水痘、再活性化による再燃像が帯状疱疹です。

水痘の発症の仕組み

VZVは上気道粘膜や眼球結膜から飛沫感染により体内に侵入し、局所のリンパ組織で増殖した後、第一次ウイルス血症により肝臓、脾臓など感受性臓器に運ばれさらに増殖し、第二次ウイルス血症により皮膚、気道など全身の粘膜に達し、免疫反応が加わり発疹を出現します。全身の諸臓器にウイルスは分布し、臓器表面にも水庖や出血斑が見られます。接触(ウイルスの侵入)から発症(発疹出現)までの潜伏期は通常2週間です。

臨床像

水痘の発症はふつう発疹の出現で気づかれます。発疹は最初、虫さされ様の発赤で始まり、かゆみを伴い、数日で周囲に紅みを伴う水庖を形成し、最終的に黒いかさぶたを形成して終了します。発赤、水疱、黒いかさぶたの各段階の皮疹が同時に見られるのが特徴です。ふつう5から7日で治癒します。水疱からのウイルス分離は発症5日頃まで可能ですが、すべての発疹がかさぶた化するまで感染力があります。発熱はないものも高熱の持続するものもあり、発病初期が多いが数日して現われることもあります。不顕性感染はほとんどありません。流行は年間を通じて見られますが、冬季に多くみられます。

重症度

水痘が白血病、ステロイド剤内服中など免疫不全状態の小児に重症化し致死的になることはよく知られています。健康な小児においてもその重症度はさまざまで、非常に軽症で熱もなく数日で治癒するものから、重症で入院を要するものまで多彩です。家族内では初発例より続発例が重かったがその差はあまり大きくなく、それよりも発症年齢による差が著しいようです。

生後4ヶ月未満で罹患した母親に免疫のある乳児はきわめて軽いですが、7ヶ月以上はむしろ重症で乳児期後半から1歳にかけて最も重く、2歳以降はわりに軽症で平均化し、7歳から再び重症になる二峰性のピークを示す傾向が指摘されました。すべての発疹がかさぶた化するまでの治癒期間は乳児期前半も他の年齢(月齢)と差がありませんでした。また家族内以外の感染源別では、特定される個人との濃厚な接触が重症になる傾向がありました。乳児期前半は移行免疫により発症は防げませんが、血中のウイルス量が少ないために皮疹の数が少なくなります。生体反応が弱いために発熱も軽微で持続しませんが、乳児の細胞性免疫は未熟で軽症のわりに治癒に日数を要すると考えらます。

年長児が重症化する理由についてはまだ十分な説明がきていません。ただし水痘の防御には液性免疫よりも細胞性免疫が主役をなし臨床像に影響する何らかの要因が働き、初感染が修飾され潜伏感染が成立しなければ、再活性化によるboosterもないため、免疫学的記憶が不十分になり、きわめてまれですが再燃する可能性があります。

鑑別診断

1)カポジ水痘様発疹症:アトピー性皮膚炎などの湿疹に主に単純ヘルベスウイルス(herpessimplexvirus:HSV)が感染して発症します。水痘は口周囲の顔面中心で既存の皮膚病変の個所から拡がり速やかに膿庖を形成します。水疱は体の一部に集中し、水痘のように体全体に広がることはありません。

2)その他:虫刺症、小児ストロフルス、伝染性膿痂疹、エンテロウイルス発疹症などと鑑別を要しますが、いずれも発疹(水痘、かさぶた)の特徴、進行から経過観察で鑑別は容易です。

治療

1)内服薬

ふつうかゆみが強いときには抗ヒスタミン剤を使用します。解熱剤としてアスピリンなどのサリチル酸製剤はReye症候群との関連から使用しません。必要ならアセトアミノフェンやイブプロフェンを使用します。

抗ウイルス剤のアシクロビル(以下ACV:商品名ゾビラックス)はウイルス自身のチミジンキナーゼによりリン酸化されウイルスのDNA合成を選択的に阻害するため、細胞毒性など副作用は少なく耐性も獲得されにくいです。平成6年よりACVの顆粒剤が水痘に保険適応となり安全性も高いですが、高価なことに加え、軽症化した場合の潜伏感染の成立の有無、長期的な免疫の持続、将来的な帯状疱疹発症への影響、耐性ウイルスの出現などまだ不明な点もあり、全例に使用するかどうかは議論があるところです。HSVよりも多くの投与量が必要とされ、半減期が短いため4回以上に分けて投与します。ウイルス血症を認める発病後48時間以内に投与を開始しないと効果はあまり期待できません。

2)外用剤

一般的にはフェノール亜鉛化リニメント(カチリ)が使用されます。水痘の掻爬を防止するものでウイルスに対する直接的効果はありません。局所での抗炎症効果を期待して非ステロイド軟膏も使われことがあります。ACVやvidarabine(Ara−a:商品名アラセナ-A)の外用剤は水痘の適応はありませんが、アトピー性皮膚炎のある者や外陰部など部分的に症状が著しい個所に塗布すると有効です。

3)その他

重症例にはACVやAra−aの点滴静注がより有効ですが、やはりできるだけ早期に開始する必要があります。γ−グロプリン製剤には症状の軽減効果はありません。

合併症

  1. 皮膚の二次感染はほとんどが黄色ブドウ球菌によります。感受性抗生剤の内服、外用で治癒します。
  2. 中枢神経合併症は小脳失調症が最も多いですが大部分は自然治癒します。脳炎は1000人に1人以下と報告されています。二次性脳炎と考えられ、まれに致死的経過をたどることがあります。顔面神経麻痺(Ramsay−Hunt症候群)との関連も指摘されています。
  3. 肺炎は健康小児にはまれですが新生児水痘にときに合併することがあります。免疫不全児などの重症例では死亡することもあります。
  4. Reye症候群は水痘、インフルエンザなどのウイルス性疾患の経過中に、アスピリンなどのサリチル酸製剤を使用すると頻度が高いと言われますが、正確な病因は不明です。原因不明の急性肝脳症として発生し予後は不良です。
  5. 新生児水痘は分娩前後に水痘を発症した妊婦から出生した児に生後10日以内に発症します。早期に発症した者ほど重症で死亡率も高いく、乳児の予防のため母子にγ−グロプリン製剤を投与し、発症した場合はACVを点滴静注します。
  6. 免疫不全児では重症化し播種性水痘、出血性水痘などの全身性水痘を発症し、肺炎、脳炎などを併発して死亡することがあります。子宮内感染としての先天性水痘はきわめてまれですが、さまざまな奇形の報告があり胎児は帯状疱疹を発生していると考えられています。
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