単純ヘルペス感染症〈1〉(顔のヘルペス)
単純ヘルペス感染症とは
単純ヘルペス感染症は1型と2型があります。1型は主として口腔内から分離され、主として顔、口唇、眼、皮膚部に発病します。2型は性器より分離され、主として外陰部や尿道に病変を起こします。ヘルペスウィルスには水痘(水ぼうそう)を起こす帯状ヘルペスウィルスと単純ヘルペスウィルスの2種類が存在しますが、単純ヘルペスウィルス感染症の方が日常では一般的です。
乳幼児期にヘルペスウィルスに初感染を起こすと抗体は上昇し、一生持続します。しかし抗体ができてもウィルスは体外に排出されず、ウィルスと抗体が平和的な共存をするのが特徴です。疲労や日光、発熱、ステロイド投与などによりからだの抵抗力(免疫力)が低下すると、ウィルスが活性化され症状を起こしてきます。
ここでは日常一般的な皮膚症状についてやや詳しく紹介します。
顔のヘルペス
顔にはしばしば単純ヘルペスによる小水ほうが出現します。写真1から4は眼の周囲にできた水ほうです。角膜ヘルペスという眼科的に重要な病気がありますが、眼の周囲の水ほうが破れて角膜につくと直ちに角膜ヘルペスを起こすというわけではありません。何らかの原因により角膜のヘルペスウィルスに対する免疫力が低下すると角膜ヘルペスを発症し、結膜の充血、角膜の痛み、涙、目やになどの症状が出てきます。
耳介にも単純ヘルペスによる水ほうはよくみられます(写真5、6)。また顔の皮膚のどこにでも単純ヘルペスは出現します。単純ヘルペスと帯状ヘルペスウィルスによる水ほうの違いは、単純ヘルペスは顔の左右にまたがって出現する点です(写真7、8)。帯状ヘルペスは左右どちらか一方にしか現れません(写真9)。
■カポシー水痘様発疹症
湿疹またはアトピー性皮膚炎などに単純ヘルペスウィルスが感染すると、小さな水ほうが無数に出現しやすく、重篤な印象を与えます。これは皮膚局面の免疫力がアトピー性皮膚炎などでは低下しやすいためと考えられます(写真10、11)。顔や頚部、上半身が好発部位です。
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