Q5:仮性アレルゲンと食物アレルギーとはどうしたら区別できますか?
A5:アレルギー反応によらず、食物がからだに有害な反応を引き起こすことがあります。たとえば、古くなったサバを食べてじんま疹やおう吐したりする反応は、サバに対する食物アレルギーではなく、鮮度の落ちたサバに含まれるヒスタミンによる反応で、どちらかといえば食中毒に分類されるものです。
しかし、新鮮なサバを食べたときにも起こるサバアレルギーによるじんま疹などと、症状から区別することは困難です。同じように、メロンやパイナップルを食べたときにかゆくなったりすることがあります。メロンやパイナップルに含まれているセロトニンによる反応で、仮性アレルギーと呼ばれています。
仮性アレルギーでは少量では症状がでないこともあり、厳密な除去を必要としない場合もあります。体調や食物のとれる時期によって症状が出たり出なかったりするので、柔軟に対応します。
仮性アレルゲンは水にさらしたり、ゆでたりしてアク抜きしてから加熱調理することで食品中から失われることが多いので、下処理をすれば食べることができます。
しかし、強く長い症状が出るときは、仮性アレルギーではなく本当の食物アレルギーのこともあります。その場合には、血液検査をしてその食材のIgE抗体がないかを確認し、食べた後の症状が2~3日以上長く続く場合は除去負荷テストを行って、本当のアレルギー反応ではないかを確認しておく必要があります。
参考文献:
1)「食物アレルギー除去と解除の基本」、眞鍋穰著、芽ばえ社
2)「保護者と学校の先生に伝えたい食物アレルギーの基礎知識」、監修小林陽之助、編修兵庫食物アレルギー研究会、診断と治療社
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