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町医者の診療メモ:関節痛・筋肉痛と内科の病気 Dr.みやけの20年の経験で培われた一種の「診察のコツ」をまとめます。

A、首筋付近から腰(頸椎から腰椎)にかけて脊柱に沿った痛み

1強直性関節炎(きょうちょくせいかんせつえん)

強直性脊椎炎は、とくに背骨および骨盤を中心に全身の腱や靱帯に原因不明の炎症が起こり、長い年月の中で「強直」して運動制限が生じる病気です。

欧米では10万人当たり100~200人程度の患者さんがいると言われていますが、日本では少なく、10万人当たり6~40人程度と考えられています。この病気は若い男性に多く(男女比8:1程度)、9割の患者さんは40歳までに発症します。

強直性脊椎炎で生じる痛みの部位
強直性脊椎炎で生じる痛みの部位

最もよく見られる初期症状は首筋や背中、腰、あるいは骨盤のこわばりや痛みです。さらに、肩や股関節の痛みも1/3程度の頻度で認められます。

夜間や朝方などに安静にしていると痛みは強くなり、運動することで良くなるという特徴的な症状が3ヶ月以上続きます。一時的に痛みが消失もしくは改善することもありますが、徐々に痛みの場所が増えます。

3割前後の患者さんに、黒目の部分である虹彩やその裏側にある毛様体に急な炎症(急性虹彩毛様体炎)を伴うことがあります。この眼の症状は強直性脊椎炎の病勢とは無関係に出ると言われています。特徴的な皮膚症状は強直性脊椎炎ではみられません。

参考:http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000734.html

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町医者の診療メモ

町医者の診療メモ:はじめに

(よく見られる症状と診察のポイント)発熱

(よく見られる症状と診察のポイント)頭痛

内科から見た肩こり

めまい:脳からみためまいを中心に

関節痛・筋肉痛と内科の病気

  1. 首筋付近から腰(頸椎から腰椎)にかけて脊柱に沿った痛み
    1. 強直性関節炎
    2. 反応性関節炎および炎症性腸疾患に伴う関節炎
    3. 軸椎歯突起症候群 crowned dens syndrome
    4. SAPHO症候群
    5. 多発性骨髄腫
    6. 骨軟化症
    7. 転移性脊椎腫瘍
    8. 中高年者の腰痛
    9. 化膿性脊椎炎
    10. 石灰沈着性頸長筋腱炎
    11. 脊椎・関節の疾患以外に起こる頚部や胸背部の痛み
  2. おもに肩・肘・手および股・膝・足など大きな関節の痛み
    1. 伝染性紅斑(りんご病)
    2. リウマチ性多発筋痛症
    3. 偽痛風
    4. 成人発症スティル病
    5. IgA血管炎(ヘノッホ-シェーンライン紫斑病)
    6. 関節リウマチ
    7. 化膿性関節炎
  3. おもに手首・手指の関節の痛みおよび足首・足指など小さな関節の痛み
    1. 関節リウマチ
    2. 痛風
    3. 反応性関節炎
    4. 乾癬性関節炎
    5. 膠原病
    6. 回帰性リウマチ
    7. ヘバーデン結節
  4. 不定部位に起こる関節痛や筋肉痛
    1. おとなのりんご病
    2. 線維筋痛症、慢性疲労症候群
    3. リウマチ性多発筋痛症、RS3PE症候群
    4. 低カリウム性ミオパチー
    5. 甲状腺ホルモンの異常
    6. パーキンソン病
    7. 副腎皮質機能低下症
    8. 骨軟化症
    9. 流行性筋痛症(ボルンホルム病)
    10. 各種の膠原病
    11. その他

血液検査からみた診断へのアプローチ

急な胸の痛み(胸痛発作)

いろいろある鎮痛薬

胸部レントゲン写真から考える肺疾患


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