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町医者の診療メモ:関節痛・筋肉痛と内科の病気 Dr.みやけの20年の経験で培われた一種の「診察のコツ」をまとめます。

D.不定部位に起こる関節痛や筋肉痛

6パーキンソン病

Dr.みやけ

パーキンソン病は人口1000人当たり1人が罹患する頻度の高い神経変性疾患です。

症状は左右差をもって始まり、N字型や逆N字型にゆっくり進行します。
パーキンソン病患者の40~80%が何らかの痛みを訴えると言われており、時にはふるえや動作緩慢などの運動症状より先に始まることもあります。

多くは筋肉痛か、痛みを伴うけいれん、あるいはその両方を経験します。筋肉痛は多くは両足に起きますが、どこの筋肉にも首の筋肉にも起こり得ます。足のけいれんはいつでも起こりますが、ふつうは深夜か朝一番に起こります。

7副腎皮質機能低下症

Dr.みやけ

副腎皮質ホルモン欠乏による症状としては倦怠感、抑うつ、吐き気、起立性低血圧、筋痛、関節痛などがあります。

ゆっくりと進行する場合や、ストレス負荷時にのみ症状が出現する発症初期では、うつ病と間違われることがあります。関節痛が主訴になった場合には内分泌疾患の想起が難しくなることがあります。

1990年代に米国の医師ジェームズ・L・ウイルソンによって副腎疲労という考え方が提唱されました。 副腎機能が低下した結果、疲労や倦怠感をはじめ様々な症状が出る状態です。副腎からは様々なホルモン分泌されていて身体の各器官に命令を出していますが、 副腎機能が低下すると、これらのホルモンの分泌障害が起こり、 倦怠感や無気力感などの疲労症状が出ます。
しかし、副腎疲労は医学的にはまだ完全に証明されておらず、 副腎不全やアジソン病と同じではないかと副腎疲労に異を唱える研究者も存在します。

副腎疲労の症状の大きな特徴は極度の疲労です。症状に限ると慢性疲労症候群と酷似しています。副腎皮質ホルモンは様々な作用があり疲労以外の症状も出ます。
疲労感の症状としては、疲労感、体力減少、無気力・無関心、ベッドから起き上がれない、集中できない、思考の困難 などが挙げられます。
疲労感以外の症状としては、体重の変化(減少あるいは増加)、筋肉減少、低血圧(高血圧)、むくみ、眠れない・眠ってもすぐに目が覚める、体の痛み(関節、背中など)、動悸、脱毛などが挙げられます。

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町医者の診療メモ

町医者の診療メモ:はじめに

(よく見られる症状と診察のポイント)発熱

(よく見られる症状と診察のポイント)頭痛

内科から見た肩こり

めまい:脳からみためまいを中心に

関節痛・筋肉痛と内科の病気

  1. 首筋付近から腰(頸椎から腰椎)にかけて脊柱に沿った痛み
    1. 強直性関節炎
    2. 反応性関節炎および炎症性腸疾患に伴う関節炎
    3. 軸椎歯突起症候群 crowned dens syndrome
    4. SAPHO症候群
    5. 多発性骨髄腫
    6. 骨軟化症
    7. 転移性脊椎腫瘍
    8. 中高年者の腰痛
    9. 化膿性脊椎炎
    10. 石灰沈着性頸長筋腱炎
    11. 脊椎・関節の疾患以外に起こる頚部や胸背部の痛み
  2. おもに肩・肘・手および股・膝・足など大きな関節の痛み
    1. 伝染性紅斑(りんご病)
    2. リウマチ性多発筋痛症
    3. 偽痛風
    4. 成人発症スティル病
    5. IgA血管炎(ヘノッホ-シェーンライン紫斑病)
    6. 関節リウマチ
    7. 化膿性関節炎
  3. おもに手首・手指の関節の痛みおよび足首・足指など小さな関節の痛み
    1. 関節リウマチ
    2. 痛風
    3. 反応性関節炎
    4. 乾癬性関節炎
    5. 膠原病
    6. 回帰性リウマチ
    7. ヘバーデン結節
  4. 不定部位に起こる関節痛や筋肉痛
    1. おとなのりんご病
    2. 線維筋痛症、慢性疲労症候群
    3. リウマチ性多発筋痛症、RS3PE症候群
    4. 低カリウム性ミオパチー
    5. 甲状腺ホルモンの異常
    6. パーキンソン病
    7. 副腎皮質機能低下症
    8. 骨軟化症
    9. 流行性筋痛症(ボルンホルム病)
    10. 各種の膠原病
    11. その他

血液検査からみた診断へのアプローチ

急な胸の痛み(胸痛発作)

いろいろある鎮痛薬

胸部レントゲン写真から考える肺疾患


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