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町医者の診療メモ:関節痛・筋肉痛と内科の病気 Dr.みやけの20年の経験で培われた一種の「診察のコツ」をまとめます。

D.不定部位に起こる関節痛や筋肉痛

10各種の膠原病

Dr.みやけ

膠原病は次に述べる疾患の総称です。

膠原病に共通した症状としては、発熱、関節痛、筋肉痛などです。原因のはっきりしない関節痛や筋肉痛を生じた場合には、常に膠原病ではないか疑う必要があります。
膠原病には、疾患に応じた特徴的な発症年齢と性差があります。代表的(古典的)な膠原病は次の6種類で、特徴は次の通りです。

膠原病の発症年齢と性差
  発症年齢
リウマチ熱(RF) 男性 = 女性 13才頃がピーク
慢性関節リウマチ(RA) 80%が女性 30~50才
全身性エリテマトーデス(SLE) 90%が女性 20~40才
全身性強皮症(SSc) 90%が女性 30~50才
皮膚筋炎(DM) 70%が女性 10~60才
結節性多発動脈炎(PN) 60%が男性 40~60才

膠原病の初発症状
全ての膠原病に共通してみられる症状
発熱、 関節痛、 筋肉痛、  全身倦怠感、 易疲労性、 体重減少
一部の膠原病に共通してみられる症状
Raynaud現象 全身性エリテマトーデス、全身性進行性硬化症、混合性結合組織病など
脱 毛 全身性エリテマトーデス、全身性進行性硬化症、混合性結合組織病など
網状皮斑
(livedo reticularis)
血管炎症症候群、全身性エリテマトーデスなど
漿膜炎 全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチなど
間質性肺炎 全身性進行性硬化症、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎/皮膚筋炎など
腎障害 全身性エリテマトーデス、結節性多発動脈炎、多発血管炎性肉芽腫症など
薬剤アレルギー 過敏性血管炎、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群など

現在ではこれらに加えて、シェーグレン症候群、混合性結合組織病、多発血管炎性肉芽腫症、高安動脈炎、側頭動脈炎、好酸球性筋膜炎、成人スティル病、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、ベーチェット病、サルコイドーシスなども膠原病関連疾患に含まれます。

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町医者の診療メモ

町医者の診療メモ:はじめに

(よく見られる症状と診察のポイント)発熱

(よく見られる症状と診察のポイント)頭痛

内科から見た肩こり

めまい:脳からみためまいを中心に

関節痛・筋肉痛と内科の病気

  1. 首筋付近から腰(頸椎から腰椎)にかけて脊柱に沿った痛み
    1. 強直性関節炎
    2. 反応性関節炎および炎症性腸疾患に伴う関節炎
    3. 軸椎歯突起症候群 crowned dens syndrome
    4. SAPHO症候群
    5. 多発性骨髄腫
    6. 骨軟化症
    7. 転移性脊椎腫瘍
    8. 中高年者の腰痛
    9. 化膿性脊椎炎
    10. 石灰沈着性頸長筋腱炎
    11. 脊椎・関節の疾患以外に起こる頚部や胸背部の痛み
  2. おもに肩・肘・手および股・膝・足など大きな関節の痛み
    1. 伝染性紅斑(りんご病)
    2. リウマチ性多発筋痛症
    3. 偽痛風
    4. 成人発症スティル病
    5. IgA血管炎(ヘノッホ-シェーンライン紫斑病)
    6. 関節リウマチ
    7. 化膿性関節炎
  3. おもに手首・手指の関節の痛みおよび足首・足指など小さな関節の痛み
    1. 関節リウマチ
    2. 痛風
    3. 反応性関節炎
    4. 乾癬性関節炎
    5. 膠原病
    6. 回帰性リウマチ
    7. ヘバーデン結節
  4. 不定部位に起こる関節痛や筋肉痛
    1. おとなのりんご病
    2. 線維筋痛症、慢性疲労症候群
    3. リウマチ性多発筋痛症、RS3PE症候群
    4. 低カリウム性ミオパチー
    5. 甲状腺ホルモンの異常
    6. パーキンソン病
    7. 副腎皮質機能低下症
    8. 骨軟化症
    9. 流行性筋痛症(ボルンホルム病)
    10. 各種の膠原病
    11. その他

血液検査からみた診断へのアプローチ

急な胸の痛み(胸痛発作)

いろいろある鎮痛薬

胸部レントゲン写真から考える肺疾患


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