町医者の診療メモ関節痛・筋肉痛と内科の病気 > D.不定部位に起こる関節痛や筋肉痛 

町医者の診療メモ:関節痛・筋肉痛と内科の病気 Dr.みやけの20年の経験で培われた一種の「診察のコツ」をまとめます。

D.不定部位に起こる関節痛や筋肉痛

11その他

子宮頸ガンワクチン接種後

子宮頸ガンワクチン接種後に次のような症状が起こることが問題視されています:
身体の広範な痛み、関節痛または関節炎、激しい疲労が6週間以上続く、心身・精神症状(記憶障害、突然の眠気、呼吸苦、脱力、環境過敏)など

好酸球性食道炎

好酸球性食道炎の病態は気管支ぜん息と類似しており、食道粘膜および粘膜下への好酸球浸潤に伴う慢性炎症性疾患です。好酸球が食道平滑筋のけいれんを引き起こし、間欠的な嚥下障害や胸痛を訴え、進行すると持続性の嚥下障害や食道狭窄を生じることがあります。

好酸球性食道炎は皮膚、食物、気道のアレルギー性疾患を合併することが多く、繰り返す胸痛発作があると狭心症や食道けいれんと誤診されることがあります。

再発性多発軟骨炎の関節炎

特徴的な関節炎がおこる部位は胸鎖関節、肋軟骨など胸骨周囲ですが、指の関節、膝の関節にもおこります。他の軟骨病変と異なり、関節は変形しません。
腫れるだけのことも、痛みだけのこともあります。通常は痛み止めがよく効き、数日から数週間で改善します。

白血病、多発性骨髄腫など

白血病:

急性白血病の臨床症状は発熱、貧血、出血傾向の頻度が高いですが、成人白血病の3.9%、小児白血病の13.9%で骨・関節症状を認めることがあり、急性骨髄性白血病に比べ急性リンパ急性白血病で見られやすいです。
成人では骨髄の脂肪髄の比率が高いため、小児食らえて骨病変の頻度は少ないと考えられていますが、小児と同様に骨・関節症状で発症し、末梢血に以上のない場合もあり、注意が必要です。

多発性骨髄腫:

多発性骨髄腫の症状には個人差がありますが、骨髄腫細胞によって骨の組織が破壊されると、高カルシウム血症、骨の痛み、病的な骨折、脊髄圧迫による麻痺などが起こることがあります。

多発性骨髄腫の他、胃ガン、大腸ガン、膵ガン、卵巣ガン、白血病、悪性リンパ腫などで傍腫瘍症候群としてリウマチ性多発筋痛症に似た症状をきたすことがあります。リウマチ性多発筋痛症が疑われる場合でも、年齢が50歳以下、進行性の経過、朝のこわばりの欠如、少量のプレドニンが著効しないなどの非典型例では、悪性腫瘍を含めた他疾患の可能性を考える必要があります。

関節痛・筋肉痛と内科の病気:目次へ

※このサイトは、地域医療に携わる町医者としての健康に関する情報の発信をおもな目的としています。

※写真の利用についてのお問い合わせは こちら をご覧ください。

町医者の診療メモ

町医者の診療メモ:はじめに

(よく見られる症状と診察のポイント)発熱

(よく見られる症状と診察のポイント)頭痛

内科から見た肩こり

めまい:脳からみためまいを中心に

関節痛・筋肉痛と内科の病気

  1. 首筋付近から腰(頸椎から腰椎)にかけて脊柱に沿った痛み
    1. 強直性関節炎
    2. 反応性関節炎および炎症性腸疾患に伴う関節炎
    3. 軸椎歯突起症候群 crowned dens syndrome
    4. SAPHO症候群
    5. 多発性骨髄腫
    6. 骨軟化症
    7. 転移性脊椎腫瘍
    8. 中高年者の腰痛
    9. 化膿性脊椎炎
    10. 石灰沈着性頸長筋腱炎
    11. 脊椎・関節の疾患以外に起こる頚部や胸背部の痛み
  2. おもに肩・肘・手および股・膝・足など大きな関節の痛み
    1. 伝染性紅斑(りんご病)
    2. リウマチ性多発筋痛症
    3. 偽痛風
    4. 成人発症スティル病
    5. IgA血管炎(ヘノッホ-シェーンライン紫斑病)
    6. 関節リウマチ
    7. 化膿性関節炎
  3. おもに手首・手指の関節の痛みおよび足首・足指など小さな関節の痛み
    1. 関節リウマチ
    2. 痛風
    3. 反応性関節炎
    4. 乾癬性関節炎
    5. 膠原病
    6. 回帰性リウマチ
    7. ヘバーデン結節
  4. 不定部位に起こる関節痛や筋肉痛
    1. おとなのりんご病
    2. 線維筋痛症、慢性疲労症候群
    3. リウマチ性多発筋痛症、RS3PE症候群
    4. 低カリウム性ミオパチー
    5. 甲状腺ホルモンの異常
    6. パーキンソン病
    7. 副腎皮質機能低下症
    8. 骨軟化症
    9. 流行性筋痛症(ボルンホルム病)
    10. 各種の膠原病
    11. その他

血液検査からみた診断へのアプローチ

急な胸の痛み(胸痛発作)

いろいろある鎮痛薬

胸部レントゲン写真から考える肺疾患


 上に戻る