■新型インフル情報 (2009/08/11発行)
■新型インフル、感染広がる
新型インフルについてマスコミの報道はほとんど目にしなくなりました。
選挙や雨のニュース、女優の麻薬事件などに取って変わられた感が強いです。
しかし新型インフルは着実に広がっているようです。
夏休み以降(7/21~8/6まで)の姫路市内のインフル発生数は約37名ですが、ほとんどの例でPCR検査は行われていないため、新型インフルと確定した数は明らかではありません。
中・高校生が多いのですが、大学生やスポーツクラブの小学生も混じっています。
日本中で新型インフルが広まっていますが、重症例はほとんどありません。
脳症を発症した子どもが数例ありますが、みな回復していますし、死亡例などはありません。
しかし世界に目を向けてみると、WHOに報告があった感染確認例は、7月末時点で168カ国・地域の16万2380人で、死亡者数も1000人を超えたそうです。
感染者が多い国では感染が疑われる患者全員の遺伝子検査を行っておらず、WHO報道官は「実際の患者数は誰にも分からない」としています。
WHOは、症状を重くするようなウイルス変異が起きることを警戒していますが、今のところ、そうした変異は確認されていません。
抗インフルエンザ薬「タミフル」に対する耐性を持つウイルスが6症例で確認され、このうち3症例は日本で、残りは、デンマークと香港、カナダが各1症例でした。
新型インフルは世界中で20億人、全人口の約40%がかかるのではないかと予測されています。こう言われると恐ろしい気がしますが、実際はどうなのでしょうか?
私の予想なのですが、新型インフルは冬にかけて爆発的に流行することはなく、どちらかと言えば「くすぶりながら」長い間、続くような気がします。
5月の新型インフルのときのような、社会的な混乱は少ない代わりに、くすぶりながら長く続くと、身近な人がかかる機会も多くなることでしょう。
重症例は多くはないために、初めは警戒していても、徐々に流行にも慣れていくことでしょう。
かかりつけの医療機関で治療を受けて、治ればそれで終わりというふうに、簡単に考えるようになると思います。
しかし、これで一番困るのは学校生活と思います。一クラスで2~3人インフルによる欠席者が出ると、学級閉鎖さらには学年閉鎖となるかもしれません。
流行が長く続くなると、新型インフルが終息するまでに、何回となく登校停止をしないといけなくなります。定期試験や入試を控えて、混乱が起こるかもしれません。
このような事態にならないように、中・高校生に優先的にワクチン接種することになることでしょう。
ワクチン接種は希望者が受けることになるため、受けなかった人がいじめや仲間はずれにならないように配慮が必要です。
会社勤めの人がインフルにかかったからと言って、出勤したときに白い目でみられたり、差別を受けることがないようにも配慮が必要でしょう。
冷静に、かつ現実的に対応することが望まれます。
さて、次のみやけ便では、本院での対応の仕方についてお知らせの予定です。