■みやけ便 第27報 (2010/07/13発行)
■回転性めまいとメニエール病について詳しく教えてください
この二つは混同されていることが多く、医師によっても説明があいまいなことがあります。
メニエール病はめまいの病名としては有名ですが、本当のメニエール病は大変珍しく専門の耳鼻科医でもめったに経験しないまれな病気です。メニエール病では、耳鳴りや聴力の低下から始まり、しばらくしてから強烈なぐるぐる回る回転性めまいが起こります。これは、メニエール病では蝸牛という聴力に関係した耳の部分から始まり、しばらくして隣の三半規管に及んで回転性めまいを生じるからです。メニエール病の原因は蝸牛のリンパ性浮腫と言われています。
日常、しばしば経験する回転性めまいは、三半規管が原因で起こり蝸牛は無関係です。
したがって聴力低下や耳鳴りといった症状は起こりません。おもに疲れや睡眠不足が原因で、三半規管の働きがおかしくなるとぐるぐる回る回転性めまいが起こります。三半規管のめまいは体をぐるぐる回すと起こるめまいと同じですが、疲れなどで三半規管が過敏になると少し頭を動かすだけでめまいが起こるようになります。
回転性めまい=メニエール病ではありませんが、混同されているのも事実です。
本当のメニエール病はたいへん珍しい病気ですが、回転性めまいに軽い難聴や耳鳴りを伴うとメニエール病と簡単に診断される場合もあります。この場合はむしろ軽い突発性難聴との区別が重要になります。
いすれにしても、メニエール病の診断はめまい専門の耳鼻科医にみてもらう必要があります。