■みやけ便 第28報 (2010/07/20発行)
■感染症情報
夏かぜは、ヘルパンギーナ、手足口病、プール熱など変わった名前のかぜが流行する時期です。他にも、胃腸炎、溶連菌感染症、扁桃炎などが流行します。また水ぼうそうや虫さされ、草木のかぶれ、じんましん、熱中症なども多くなります。
こういった流行は猛暑の年ほど多くみられ、雨の多い今年は目立った流行はありません。
夏かぜで熱が出ると高熱が続くことがあります。
こじれて肺炎などを起こしたかどうかの重要な目安は、熱はふつうは3日まで、もし4日以上熱が続けばこじれていないか疑うのが大切です。
これを熱の4日のルールと呼びます。
■かぜQandA:かぜがこじれているかどうか、どのように分かりますか?
昔から寒い時期に「かぜ」の頻度が高いので、寒さと「かぜ」の関係が強く考えられてきました。しかしいくら寒冷地であっても、かぜにはかからないことが示されています。
かぜの90%以上はウィルス感染が原因で起こってきます。
かぜの症状を引き起こすウィルスは230種類以上が知られています。
かぜには年間を通して感染しますが、冬季に多いのはインフルエンザウィルスを代表として冬に流行するウィルスが、その感染と広がりに寒冷と乾燥という気候条件が適しているからです。一方、夏かぜウィルスは高温、多湿を好み、夏季に流行しやすくなります。
かぜの本態は急性気道感染(鼻炎、咽頭炎、喉頭炎、気管・気管支炎)で、その90%以上はウィルス感染が原因ですが、いわゆる「こじれる」とはウィルス感染によって気道の防御機能が破綻して起こる二次感染の状態を指しています。インフルエンザ菌と肺炎球菌は二次感染を引き起こしやすい代表的な細菌です。
一般にかぜを引いても3、4日以内に自然に軽快していくことが多いと思われます。
しかし、それ以上かぜの症状(鼻水・鼻づまり、せき、咽頭痛、発熱、頭痛など)が持続するときには、細菌による二次感染を起こしてこじれかかっているかもしれません。
このように「こじれている」かどうかは症状から推測する場合と、血液検査や胸部レントゲンなどの検査で異常値を認めて判断される場合があります。血液検査では炎症反応の増加-白血球数の増加やCRP、血沈などの炎症反応の亢進-が手がかりになります。
胸部レントゲンではこじれて肺炎を起こしているかどうかが分かります。