■みやけ便 第30報 (2010/08/17発行)


■感染症情報


今年は猛暑の割りには目立った感染症の流行はありません。
毎年のように下痢やおう吐のかぜ、ウィルス性胃腸炎が流行しますが、今年も多くみられます。ウィルス性胃腸炎と細菌性胃腸炎、つまり食中毒、との区別は困難です。最終的には検便になりますが、結果が出るまでに数日かかるため、症状や食事の様子から判断します。

外食や生ものの摂取があり、下痢がひどいときには食中毒の疑いで抗生物質を投与することになります。げり止めを使って良いかどうか?病原大腸菌やO-157など細菌毒素型ではげり止めは使いませんが、一般の下痢では使ってかまいません。

 


■かぜQandA:かぜの原因となるウィルスは全部で何種類くらいありますか?


全部で約200種類あると考えられています。
冬に流行するインフルエンザは代表的なウィルス感染症ですが、A型、B型に分けられますが同じA型でも少しずつ変わってきます(変異株)。

多くの冬のかぜや夏かぜと言われるのもは特有のウィルスによって引き起こされます。また、おう吐や下痢を生じる胃腸炎の多くも特有のウィルスにより起こってきます。

小児の間で季節によって流行するウィルス感染症は特徴があります。たとえば夏には、口内炎を伴うかぜが流行し、ヘルパンギーナ、手足口病などと呼ばれます。また高熱と扁桃炎、結膜炎を伴う夏かぜはプール熱(咽頭結膜熱)と呼ばれます。ウィルス性髄膜炎も多くなります。

このように夏かぜは個性的な名前が付けられるほどいろいろなウィルス感染症が流行します。かぜとは異なりますが、小児のウィルス感染症はいろいろな発疹を伴いやすいのも特徴でしょう(はしか、水ぼうそう、風疹など)。

戻る