■みやけ便 第31報 (2010/09/02発行)
■感染症情報
今年は猛暑のためか、例年に流行する手足口病、プール熱などの夏かぜが少なかった反面、ヘルパンギーナが目立ちました。
ヘルパンギーナは口を開けて真ん中にあるいわゆるノドチンコの周囲に口内炎がいくつかできます。しかし、小児科では発熱とどこにでも口内炎があればヘルパンギーナと呼びます。熱の出る夏かぜは口内炎を伴いやすいのですね。
夏かぜで注意が必要なのはこじれて肺炎を起こしやすいこと、熱が下がりにくいときは髄膜炎を疑うことです。暑さのために熱中症を起こすこともあります。
9月に入っても今年は暑さが続きそうです。注意が必要です。
■かぜQandA:かぜ薬はどんな種類の薬の組み合わせで処方されますか?
かぜにかかって処方されるくすりはいくつかの種類からなっています。
一般にかぜの治療では現れている症状(たとえば発熱、頭痛、せき、鼻水など)
に対してそれぞれの症状を軽くするための薬を組み合わせて処方します。この治療方法を対症治療と言います。
さらにウィルス感染に引き続いて起こりやすい細菌による二次感染の予防目的で、抗生物質を組み合わせて使用します。抗生物質はいろいろありますがその選択にあたっては原因となる細菌を想定しながら一定期間使用し、手当たり次第に漫然と長期間使用すべきではありません。一方体の抵抗力を助ける目的でビタミン剤や、胃が弱い場合には胃薬を組み合わせることがあります。
病院や診療所で出される薬はいろいろな詳しい検査を経て承認されたものです。このような薬は原則として一つの薬に一種類の内容しか含まれていません。市販薬の多くが一つの薬の中に多数の内容が含まれているのと大きな違いです。
このような理由から何種類もの薬が出される結果となります。処方される薬は医師の判断によって多少異なりますが、3、4種類の薬が出ることが多いと思われます。