■みやけ便 第32報 (2010/09/16発行)


■感染症情報


猛暑の影響かかぜが多くなってきました。
急に高熱が出て、何日も下がらないということが多くあります。

中には肺炎を起こしている方もいて注意が必要です。今年は猛暑が続いたため疲労や抵抗力の低下が重なり、こじれてしまったようです。

中にはマイコプラズマ肺炎のこともあります。
今までマイコプラズマ感染症の診断には数日かかりましたが、新しく医院でも検査が出来るようになりました。その日の内に結果が分かりますので早くに診断できます。

 


■かぜQandA:かぜに抗生物質が必要な理由はどうしてですか?


かぜのほとんどがウィルス感染症なのでみだりに抗生物質を乱用すべきでない との意見があります。

ウィルスによる気道感染症は呼吸器ウィルスとの一対一の戦いではありません。
気道には少数の細菌が存在し、また呼吸とともに常に微生物が吸入されていて、気道の防御機能は休みなく働いています。言い換えれば気道は常に外敵の侵入に対して緊張状態を保ち続けています。

かぜなどのウィルス感染が起こると、その防御機能も破壊されることになり、細菌による攻撃を受けやすくなります。これが二次感染と言われるものです。抗生物質の利用はかなりの頻度で細菌性肺炎の予防に役立っているものと考えられます。

抗生物質の使用が気道の正常細菌群を抑制し、耐性菌の定着を起こしやすくしているという意見もありますが、一般外来での数日間の抗生物質の使用ではこのような現象はみられません。

しかし抗生物質の乱用はよくありません。かぜにおいて抗生物質使用にあたって、二次感染を起こしそうな病状と原因となる細菌を想定しながら一定期間使用すべきと思われます。

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