■みやけ便 第36報 (2010/11/4発行)
■感染症情報
マイコプラズマ感染症が続いています。
マイコプラズマはせきと熱が続いて肺炎を起こしやすいかせの一種です。
マイコプラズマの抗体検査が本院でできるようになりました。
マイコプラズマ検査は日数がかかるのがふつうでしたが、これで2~3時間後に結果が分かるようになります。検査は感染直後は不正確で、4日くらいたってから調べる必要があります。
子どもの発熱とせきのかぜはいつもマイコプラズマが問題になります。マイコプラズマはふつうの抗生物質が無効で、クラリスなどの苦い薬が必要になります。
親にも医師にも頭の痛い感染症ですね。
■かぜQandA:風邪を引きやすい人と引きにくい人とがあるのはどうしてですか?
かぜに対する個人差はどうして起こるのでしょうか?
私たちの体にはかぜのウィルスの侵入の際に、体を守るさまざまのメカニズムが働きます。鼻やのどの表面の粘膜には線毛という細い毛がぎっしりとはえており、ふだん活発に動いていてウィルスなどの異物が侵入してくるとその流れに乗せて運び出す働きをしています。
さらにかぜのウィルスが鼻やのどの前線を突破すると、私たちの体は次の作戦で防衛します。これが免疫部隊で白血球の中のリンパ球が中心をなします。リンパ球がしっかりとした攻撃力(免疫力)を発揮してくれれば、ウィルスを排除できます。
空気の乾燥や気温が下がってくると鼻やのどの血流が悪くなり、その結果線毛の動きがにぶってきます。そうするとかぜのウィルスなど異物の排除が困難になります。血流が悪くなるのは直接冷気を吸い込むだけでなく、手足の先が冷えやすいと自律神経反射を介してはなやのどの血管を収縮させてしまいます。ほかにもタバコや急激な運動、イライラなども血流を悪くする原因となります。
さらにリンパ球の数が少ない人やリンパ球の元気さがひくい人はかぜをひきやすくなります。緊張状態やストレスが強いとリンパ球が減少し、リラックスするとリンパ球は増えやすくなります。つまりイライラやストレスはリンパ球の比率を下げてしまいます。
他にも睡眠不足や偏食、激しい運動をするとリンパ球の比率が少なくなってしまいます。
激しい運動ではなく散歩などは逆にリンパ球の比率を高めてくれます。のんびりとした人ほどかぜをひきにくいといわれるゆえんでしょう。