■みやけ便 第37報 (2010/11/19発行)


■感染症情報


木枯らしの吹く季節になってきましたが、寒さがまだましなためか、感染症はすっかり落ち着いています。

そんな中、今週は今季初のインフルエンザの報告が一例だけありました。西郊外の幼稚園児で、A型ということです。阪神間でもポツポツとA型が出ているそうです。しかし、大きな流行にまでは至らず、すぐに消えてしまうということでした。今は予防接種の希望者が多い時期なので、もうしばらくこのまま平穏な日々が続いてほしいものです。

尖閣ビデオがyou tubeで流され、中国やロシアとの関係がさらに緊迫化している中での国会運営ですが、幸い、サーバリックス、プレベナー、ヒブのワクチンに今年度中の補正予算がおりたそうです。

おもに乳児が対象になりますが、近々保健所から皆様に連絡があると思います。

 


■かぜQandA:聴診器で何が分かりますか?


聴診器は主に2つの目的に使用されます。一つは心臓の中にある弁の開閉する音の変化(心音といいます)、二つは肺の呼吸音の変化をみるためです。

かぜで心音が変化することは、かぜがこじれて心膜炎や感染性心内膜炎を起こした場合の他はめったにありません。かぜの場合、聴診器はおもに肺の呼吸音の変化をみる目的で使用されます。

たとえばせきがひどくてヒューヒュー、ピーピーといった笛を吹くような呼吸音が聞こえてくれば喘息の発作が疑われます。またゴロゴロ、プチプチといった水のアワがはじけるような音が聞こえると気管支炎や肺炎が疑われます。

聴診器による心音や呼吸音の変化だけから正確に病気の性質を判断することはかなりの技術を要します。しかし最近では心音の変化に対しては心臓超音波を組み合わせたり、呼吸音の変化に対しては胸部レントゲンや胸部CTなどを組み合わせることにより、比較的簡単に病気の性質が分かるようになってきました。

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