■みやけ便 第38報 (2010/12/10発行)
■感染症情報
ある新聞にインフルエンザの流行と絶対湿度には深い関係があり、将来は花粉情報と同じようにインフルエンザ流行情報が出るようになるかも という記事がありました。
%でおなじみの湿度は相対湿度。絶対湿度は1立方メートル中の水分の重さでgで表されます。
この記事をみてふと思いついたのは、大塩や的形でインフルエンザが毎年それほど多くないのは、海からの湿った風のせいで他の地域に比べて絶対湿度が高いせいかも?
湿度に加えてインフルエンザは教室の中など空気の流れが悪いと感染が起こりやすいですね。
こうしたことから家庭では、暖房をするときにはとくに湿度に気をつけて、そして時々窓をあけて空気を入れ換える この二つがインフル予防の大切な対策です。
今年のみやけ便はこれで終わりです。皆様、良いお年を!
■かぜQandA:インフルエンザはどうして怖いのですか?
インフルエンザはインフルエンザウィルスによって引き起こされる呼吸器を犯す力の強い感染症です。インフルエンザの感染力は極めて強く、冬になると毎年のように流行を繰り返し、しばしば爆発的な流行となり、家族全員がかかって次々と来院されることもまれではありません。
インフルエンザはウィルス疾患であるために自然治癒傾向のある病気ですが、中には重大な合併症を起こすことがあるので注意が必要な病気です。昨今、子どものインフルエンザ脳炎や高齢者施設で集団感染の結果、死亡者が報告されるなど、今更ながらインフルエンザの脅威が実感されます。
またインフルエンザにかかったときに使用される解熱剤の種類によっては、重篤な副作用が出現しやすいことも注意すべきです。古くから解熱剤としてはアスピリンが使用されてきましたが、インフルエンザや水ぼうそう(水痘)などにアスピリンを使用すると急性脳症(ライ症候群)を起こしやすいことが報告されてきました。
また、インフルエンザ脳炎とある種の解熱剤との関係が考えられていて、インフルエンザのときには解熱剤の選択にも注意を払わなければなりません。
インフルエンザは自然経過の中でも気管支炎や中耳炎を頻繁に起こしてきます。とくに小さい子どもや高齢者では、気管支炎から肺炎を起こしやすくなります。これらのような理由から、インフルエンザは現在でも注意すべき感染症として君臨しています。