■みやけ便 第41報 (2011/2/8発行)
■感染症情報
インフルエンザの患者が先々週から急に増えてきました。いよいよ流行季節が到来です。
近隣の学校では、大塩小学校、的形小学校の2年生、白浜の灘中学に学級閉鎖などが報告されています(2月4日現在)。先週までは20歳より上の年齢に多くみられましたが、今週に入ってからは4~5歳児から20歳までの幅広い年齢層でみられるようになりました。今のところ厚労省からは脳症などの重症化に対する警告は出されていません。例年のインフル流行と同じと考えて良いようです。
さて家庭で誰かがインフルエンザにかかったとき、他の家族に移りやすい場面は、
①同じ部屋でいっしょに寝るとき、
②いっしょに食事をするとき、
③いっしょにこたつにあたるとき
の3つと思います。
ごそごそ動き回るときにはそうでもありません。「いっしょにじっとしているとき」が要注意ですね?
■かぜQandA:どうして鼻水の色が透明から黄色、緑色に変わるのですか?
鼻の粘膜が炎症を起こしてくると透明な液体がしみ出してきます(これを浸出液といいます)。これは血液の中の水の成分がしみ出してきたものです。
かぜによる鼻水は最初のうちは、花粉症やアレルギー性鼻炎による鼻水と同じ成分で透明な鼻水です。かぜによる鼻の粘膜の炎症は持続的であるのに対して、花粉症やアレルギー性鼻炎による鼻水は一時的です。アレルギーの原因が鼻の粘膜を刺激すると、まるで水道の蛇口を開いたかのように急に出てきますが、アレルギーの原因がなくなると急に止まってしまいます。
かぜのほとんどはウィルス感染が原因ですが、ウィルスによる炎症が持続すると鼻の粘膜の感染防御機能が低下して、細菌に対する抵抗力が低下してきます。もともと鼻の中には細菌がいつも住み着いているため、感染防御機能が低下してくると容易に細菌が増殖してきます。それに対して私たちの体は、細菌に対して戦闘態勢を立て直して戦いを挑んでいきます。
その結果、細菌や戦闘部隊である白血球のなきがらがたまってきます。これがうみとして黄色や緑色の鼻水を作っていきます。
外部からの敵の侵入に対して、私たちの体の中では二重、三重の感染防御機能が働く結果、最後には戦いに勝利してうみのような鼻水も自然に消えてしまいます。しかし細菌との力が勝っているとこじれてしまい、急性副鼻腔炎などが起こってきます。