■みやけ便 第43報 (2011/3/15発行)
■感染症情報
ウィルス性胃腸炎くらいで目立った感染症はありません。
最近、新聞などでリンゴ病と麻疹(はしか)がよく混同されているという記事がありました。正直言ってリンゴ病とはしかを誤診するなんてと驚きました。
そういえば10年前までははしかはふつうにありましたが、数年前からはまったくはしかに出会うことはありません。姫路や高砂は予防摂取率がよいのがその理由として考えられます。
はしかの経験のない医師がリンゴ病とはしかを混同するのは仕方ありませんが、二つの病気の区別は簡単なのですよ!!風疹もまったく見なくなりました。
リンゴ病について一言。子どもはほっぺが赤くなる程度で問題ありませんが、おとなとくに母親がかかると、手足に原因不明の赤い斑点が出て、歩くのもやっとの手足の関節痛や腰痛が起こります。他の病気に間違われることもしばしばです。
妊娠初期にリンゴ病にかかると流産や死産をしやすいので妊婦さんは注意が必要です。
■かぜQandA:かぜでどんなときに胸部レントゲンが必要ですか?
かぜをひいてから発熱やせきが持続するときには胸部レントゲン撮影が必要となります。肺炎は若い人でも無理をして、休養をとらずに仕事を続けていると起こりやすくなります。ふつうかぜによる発熱は数日以内に下がってくるのがふつうです。せきが多くて発熱が4、5日以上続くときには、肺炎を疑いながら胸部レントゲンを撮影することが大切です。肺炎に特徴的な症状はないため、聴診器だけに頼っていては見落とすことが多くなるでしょう。
かぜは万病のもとと言われますが、かぜを放置していたために心臓の病気を起こすことが稀ならずみられます。心筋炎や感染性心内膜炎、心膜炎、リウマチ性弁膜症と呼ばれる病気ですが、これらでは胸部レントゲンで心陰影が拡大して分かることがあります。
また発熱がなくてもせきが持続するときには胸部レントゲンが必要となります。最近、結核が増加してきていることが話題になっています。またマイコプラズマ肺炎といわれる大人では熱の出にくい肺炎の一種もあります。このように原因の明らかでない発熱やせきを生じたときには胸部レントゲン撮影は簡単にできる必須の検査でしょう。