兵庫県姫路市、みやけ内科・循環器科。町医者の「家庭の医学」
家庭の医学、内科からみた肩こり、心臓・血管の話、子どもの病気など話題いっぱいのホームページです。

トップページ血液検査で分かること > 腎機能検査 

血液検査で分かること

血液検査腎機能検査

スポンサーリンク

腎臓の構造(イラスト1,2)

画像をクリックすると拡大します

腎臓の構造
(イラスト1)

腎臓の構造
(イラスト2)


(イラスト3)

腎臓は、背中に接するようにして2つあります。
腎臓の切断面をみると、外側に分厚い皮のような部分(皮質 と呼ばれます)といくつかに分かれた芯の部分(髄質 と呼ばれます)の2つの部分があります。

腎臓には尿を作る働きがありますが、実際には尿を作る間に、
(1)体内の水分量の調節、
(2)老廃物の排出、
(3)浸透圧(血管内外の水圧や物質の移動の調節)や酸・アルカリ平衡(pHを一定に保つ)の調節 を行いながら、体内の恒常性を保つ重要で複雑な働きがあります。

このような腎臓の単位はネフロンと言われるもので、糸球体と尿細管から成り両方の腎臓で約200万あるとされています(イラスト3)
腎臓に流れ込む血管は枝分かれを繰り返したあとに、毛細血管となります。糸球体はこの毛細血管と、これを包み込むような袋(ボーマン嚢 と呼ばれます)からできています。
毛細血管からろ過された水分と老廃物は、ロートのようなボーマン嚢に取り込まれていきます。ロートの長い口の部分が尿細管と呼ばれ、近位尿細管と遠位尿細管の2つの部分から成っています。
糸球体では水分や老廃物がろ過されますが、尿細管では必要な物質や水分が再吸収されます。すなわち尿細管で尿は濃縮されるとも言えます。こうして尿が作り出されます。

腎機能検査

主な腎機能検査
尿素窒素(BUN) 高度な腎機能障害で上昇してくるが、健診では食事の影響や脱水症で上昇することが多い。
クレアチニン 食事の影響を受けにくく、尿素窒素よりも腎機能を的確に反映するが、ある程度腎機能障害が進行するまでは上昇してこない。
クレアチニン
クリアランス
糸球体の濾過の程度を反映すると考えられ、腎機能を正確に表している。

健診や診察室でよく調べられる項目は、尿素窒素とクレアチニンです(上表参照)。しかし血液検査だけで腎機能を正確に調べることは、一般的には困難と言えます。尿素はタンパク質が体内で分解されてできるなれの果て(終末産物)です。尿素やクレアチニンは腎糸球体からろ過され、尿中へ排出されるため、その血中濃度は腎機能指標として利用されます。

しかし、尿素は脱水症や絶食などでタンパク質の分解が盛んに行われると上昇を示します。ふだん健康に過ごしている人でも、尿素窒素(尿素の測定値)が少し上昇していていることはよくみられ、絶食などの影響と考えられ心配はありません。

クレアチニンは尿素窒素に比べて、食事の影響を受けにくく、腎機能の指標としては的確と考えられます。しかし、クレアチニンも尿素窒素も腎機能が半分くらいに低下しても、正常値にとどまり、30%くらいに低下して始めて上昇が起こってきます。したがって、両者とも鋭敏な腎機能検査とは言えません。

腎機能を調べる際に、糸球体での老廃物のろ過能力(GFR と呼ばれます)の意義が大きいと考えられています。しかしGFRを直接測定することはできないので、通常はクレアチニンなどの物質が、糸球体でろ過されるのに必要な血液の流量で代用されます。これをクリアランスと呼び、クレアチニンではクレアチニンクリアランスと呼ばれます。診察室では、採血と蓄尿が必要で、やや手間がかかります。

腎臓病の多くは糸球体に影響を及ぼすものが多く見られますが、中には尿細管に病気を起こすものもあります。尿細管機能検査は、専門医により行われます。また、腎生検といって、糸球体や尿細管の変化を顕微鏡で詳しく調べる検査もたいへん重要です。

このように軽い腎機能障害を血液検査で見つけることは、ふつうは困難です。腎機能障害の発見の手がかりには、尿検査の方が血液検査よりもはるかに有用と言えるでしょう。腎臓病だけでなく、いろいろな病気の手がかりを検尿は与えてくれます(下表参照)

尿検査で分かること
尿タンパク 学校健診や職場健診などでもっともよく行われ、腎臓病発見の手がかりとなることが多い。腎臓病以外でも陽性となりうる。
尿潜血 膀胱炎や尿管結石など、さまざまな腎臓病やはげしい運動により、陽性となる。
尿糖 糖尿病発見の手がかりとなるが、軽い糖尿病では陽性とならないので注意が必要である。
尿ちんさ 尿タンパク、尿潜血陽性などの場合に、その内容を詳しく見るための顕微鏡検査。

尿タンパクや尿潜血は腎臓病の重要な所見で、学校検診でも重要な項目です。血液中のタンパク質は大きいために、ふつうではごく微量だけ糸球体でろ過されるだけで、通常の尿検査では検出されません。しかし、いろいろな腎臓病で糸球体が破壊されると、タンパク質が素通りして尿中に出てきます。また、糖尿病でも初期の腎機能障害として、微量のタンパク質の増加が検出されるようになってきました。

しかし尿タンパクや潜血が陽性だからと言って、すぐに腎臓病とは診断できません。学童では良性タンパク尿とか起立性タンパク尿といわれ、腎臓病とは関係なく尿タンパクや潜血が陽性となることがしばしば見られます。また、膀胱炎などの尿路感染時には赤血球や白血球が尿中に増える結果、潜血やタンパク陽性となることがあります。軽い尿路感染症では自覚症状がなく経過することがしばしば見られます。尿路感染と腎臓病との区別は尿チンサといって、尿の沈殿物を顕微鏡で調べることでかなりの割合で可能です。

  目次にもどる  

関連コンテンツ

血液検査で分かること

Copyright(c) Miyake-naika All rights reserved.
掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます。