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血液検査で分かること

血液検査関節リウマチや痛風の検査

Dr.みやけ

慢性関節リウマチや痛風などに関係した血液検査は、関節や筋肉の痛みを生じたときに行われることが多いと思われます。

関節の痛みを生じる原因は慢性関節リウマチや痛風だけではなくいろいろな病気がありますが、多くの場合これらの病気は血液検査だけではなく、関節の痛む部位や関連した症状などとともに総合的に診断されます。
とくに慢性関節リウマチは血液検査だけでは診断できないことに注意すべきです。
ここでは関節の痛みを起こしやすい代表的な2つの病気、慢性関節リウマチと痛風の血液検査について述べてみます。

慢性関節リウマチ

自己免疫疾患とは

自己免疫疾患の診断
図1自己免疫疾患の診断

慢性関節リウマチは自己免疫疾患に分類されます。
自己免疫疾患とは一種のアレルギー反応です。しかしこのアレルギー反応は花粉症やダニに対するアレルギー反応などとは異なり、体内で起こるアレルギー反応といえます。
戦争にたとえれば花粉症やダニなどの一般的なアレルギー反応が外敵に攻められて起こるのに対して、自己免疫によるアレルギー反応は体内で起こる内戦またはクーデターにたとえることができます。

自己免疫という名のように本来は災いを免れる目的で行われるのが自己免疫反応ですが、自己防御の過程で起こる内戦の結果、体内のさまざまの部分で破壊が起こることになります。この体内の破壊が炎症反応といわれるものです。
炎症反応が関節で起これば関節炎を、皮膚や血管で起これば皮膚炎や血管炎を引き起こします。また、腎臓など臓器そのもので炎症が起これば臓器を破壊することになります。

自己免疫疾患といわれるものには、慢性関節リウマチの他、膠原病、バセドウ病、ある種の貧血、肝炎など多数の病気が含まれます。
自己免疫疾患では内戦やクーデターの原因となった内乱分子-自己抗体といいます-の特定と内戦による組織破壊の程度-炎症反応-の2つが主な血液検査となります。ほとんどの自己免疫疾患では自己抗体は特定されており、自己免疫疾患の診断に最も重要視されます。自己抗体が検出され、組織破壊の程度すなわち炎症反応が強ければ、病気の程度は強いと診断されます。
どうして自己抗体が造られるかは明らかでありませんが、治療の目安は炎症反応を軽減することに主眼が置かれます。

リウマトイド因子

リウマトイド因子の検出
図2リウマトイド因子の検出

慢性関節リウマチの自己抗体はリウマトイド因子(RF)と呼ばれます。
先に述べたようにどうして体内にリウマトイド因子が造られるのかは不明です。リウマトイド因子の検出方法にはいくつかありますが一般的な検査法はRAテストです。RAテストではリウマトイド因子を検出できますが、量的な評価はできません。量的な検出方法にはいくつかありますがRAHA(RAPA)と呼ばれる検査がリウマトイド因子の量的な評価に使用されます。

リウマトイド因子の臨床的意義

リウマトイド因子は慢性関節リウマチ患者の血清中に高率に検出される自己抗体で、リウマトイド因子の存在は慢性関節リウマチの診断基準の一つになっています。しかし、リウマトイド因子は慢性関節リウマチだけに存在するのではなくて、いろいろな病気で検出されるだけでなく、健康人や高齢者でも病気と関係なく検出されることがあります。
リウマトイド因子陽性の場合には、慢性関節リウマチかどうかは関節痛など臨床症状を考慮しながら慎重に診断すべきです。リウマトイド因子陽性がすぐに慢性関節リウマチでないことに留意すべきです。

炎症反応の目安

組織破壊の程度は炎症反応で表されます。炎症反応の代表的な血液検査は、CRPと血沈です。
これらの検査は慢性関節リウマチに限らず、発熱時や各種の膠原病などの際に病気の勢いを調べるために重要視されます。炎症反応が少なくなれば、病気は改善していると判断されます。

*CRPと血沈の説明は、本ホームページの 血液検査で分かること-発熱時の検査 の項をご覧ください。

日本リウマチ学会による早期リウマチ診断基準

日本リウマチ学会による早期リウマチ診断基準
図3日本リウマチ学会による早期リウマチ診断基準

痛風

高尿酸血症とは

血清中に尿酸値が高いまま(これを高尿酸血症といいます)放置しておくと、主に足首や足の親指の関節内に結晶として蓄積していきます。
痛風発作は以前から高尿酸血症が指摘されている患者の足関節や足の親指に発赤やはれ、痛みを伴う急性関節炎を起こした場合をいいます。したがって高尿酸血症と痛風とは同じ意味ではないことに注意すべきです。高尿酸血症を放置しておくと痛風だけでなく、動脈硬化を促進したり、腎機能障害から腎不全を起こすことがあります。

最近示された基準によれば、血清尿酸値が7.0mg/dlを超えた場合を高尿酸血症と呼ばれます(治療ガイドライン作成委員会2002年、日本痛風・核酸代謝学会)。
痛風発作は高尿酸血症が放置されて関節内に結晶として蓄積された結果起こる関節炎ですが、発作時に尿酸値を調べてみると低値を示すことがあり、発作時の尿酸値は参考にはなりにくいことがあります。

健常者では毎日約700mgの尿酸が産生され、このうち約500mgが尿中に排泄されます。
高尿酸血症の原因としては、(1)尿酸産生の増加、(2)尿中への尿酸排泄の低下、(3)両者の混合したもの の3種類に分類されます。

  1. 尿酸産生の原因としては、過食、アルコール過剰摂取、高プリン食、激しい運動、薬剤による影響などが考えられます。
  2. 尿中への尿酸排泄の低下の原因としては、肥満、インスリン抵抗性(糖尿病)、飲酒、激しい運動、脱水症、腎機能低下、薬剤の影響 などが考えられます。
  3. 実際にはこれらの原因が組み合わさって高尿酸血症が起こりやすくなると考えられています。

痛風は昔考えられていたような過剰な肉食が原因で起こるぜいたく病ではなく、肥満やインスリン抵抗性(糖尿病)などが関連した生活習慣病と考えられます。実際、約半数の痛風患者は高脂血症や高血圧症を合併しています。

痛風とは

痛風については本ホームページで別に詳しく解説しています。ご覧ください。

高尿酸血症の治療方針

高尿酸血症の治療方針
図4高尿酸血症の治療方針(治療ガイドライン作成委員会2002年、日本痛風・核酸代謝学会による)

参考文献)
ⅰ)治療ガイドライン作成委員会、高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン2002、日本痛風・核酸代謝学会
ⅱ)山中 寿:痛風.内分泌疾患診療マニュアル、日本医師会雑誌2002;127(12):S270-271

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