様々な症状を訴えて内科診療所を訪れる患者さんの、診断へ至る手法をお話しします。「総合内科のアプローチ」臨床研修医のみなさんにおすすめのコンテンツです。
胸部レントゲン写真の所見(粒状・結節・腫瘤、肺炎(均等影)、線状影・すりガラス)から、考えられる疾患を表にまとめました。実際の診断に役立ちます。
心電図を読むときに、見逃してはならないポイントは…①右室に注目:肺塞栓症を見逃さない! ②wideQRS tachycardia(房室解離とは?) ③blocked APC、洞房ブロック、洞停止について ④冠動脈多枝病変を見逃さない
多くの病気では関節痛の起こる部位に特徴があります。 関節痛の部位をクリックすると、考えられる病気へ進みます。さらに病気によって好発する年齢と性別があります。年齢に相当する病名をクリックすると、やや詳しい説明にリンクします。
内科診療所には、さまざまな訴えを抱えて多くの患者が来られます。限られた短い時間内に診察を行い、適切に検査計画をたてる必要があります。ここでは、私の長年の診療経験に基づいた発熱時の診断のためのコツを述べたいと思います。よくみられる疾患、忘れてはいけない疾患も紹介しています。
発熱や激しい痛みを繰り返す「周期性発熱症候群」という一群の病気があります。原因は病原体から体を守る免疫システムの異常という新概念の疾患です。
さまざまな検査の中で、血液検査は最も一般的な検査の一つです。主訴に応じて血液検査の内容は当然変化するべきですが、限られた診察時間の中で、その都度一つ一つ疾患を思い浮かべながら検査項目を組み合わせることは、必ずしも容易ではありません。
神経・筋疾患の診断は、神経所見を正しく取ることから始まります。これには神経診断のための知識と経験が必要で、一朝一夕に得られるものではありません。ここでは正しく得られた神経所見を基にした、神経・筋疾患の診断のアプローチ方法を述べたいと思います。
一般診療所で多くみられる感覚障害や運動障害の原因は、頸椎症や腰椎症による神経根症、絞扼性神経障害、脳血管障害などによるものです。末梢性ニューロパチーとしては、糖尿病性ニューロパチーが一番多くみられます。
Wide QRS tachycardiaでは「否定されるまで心室頻拍VTを疑え」が原則です。Wide QRS tachycardiaでは第一に心室頻拍VTを疑うべきですが、変行伝導を伴う上室性頻拍が少なくありません。
不安定狭心症と急性心筋梗塞は臨床的には一連の流れの中にあり、あわせて急性冠症候群ACSと呼ばれます。ACSの心電図所見は、ST降下/上昇とそれに伴うT変化で、慣れると心電図診断は比較的簡単です。
徐脈性の不整脈を除いて、上室性(心房性)不整脈の多くは危険ではありません。しかし、心電図読解を難しくしているのも、多くは上室性(心房性)不整脈です。
肺塞栓症と肺高血圧の診断は疑いを抱くことから始まります。疑うことができれば、比較的スムーズに診断に至ることができますが、疑わない場合は、診断に至ることが困難です。
一般診療で遭遇する不随意運動は限られており、専門家でないと診断が困難というイメージが強くあります。しかし、振戦やミオキミア、線維束攣縮、ジスキネジア、ジストニア、ミオクローヌスなどは、まれならず遭遇します。
内科診療所の外来ではさまざまな患者の訴えに遭遇しますが、限られた時間内に適切に判断を下すことは容易ではありません。ここでは脱力発作と筋力低下を来す内科的な疾患について整理してみました。
発汗障害は発汗過多を伴う疾患、発汗減少または無汗症を伴う疾患に分けることができます。無汗症では健側の代償的な発汗過多と紅潮を伴うことがありますが、原因はあくまでも発汗減少にあり、間違えないように注意が必要です。
腹痛には内臓痛と体性痛があります。そして、内臓痛に伴う関連痛がありますが、痛みの性質からこれらを明確に区別することは実際には困難です。しかし、関連痛の仕組みを理解できると…
ここで述べる「心電図読解のポイント」は、主に若手医師やパラメディカルのための心電図入門です。わずかな時間で心電図の基本が理解できると思います。不整脈はここでは述べません。
分かっているようで分かりにくいのが中性脂肪です。ここでは中性脂肪と脂質異常症について、自験例をもとに概説します。日常診療では中性脂肪が 1000mg/dL を超える例を稀ならず経験します。
心筋梗塞など虚血性心疾患は日常診療ではしばしば遭遇するコモンな疾患です。循環器専門医の間では、2型糖尿病=心筋梗塞という認識があります。
不溶性の異常タンパク質であるアミロイド線維が臓器や神経に沈着し機能障害を起こすのがアミロイドーシスです。複数の臓器にアミロイドが沈着する全身性のもの(全身性アミロイドーシス)と…
電解質異常と酸塩基平衡の知識は救急医療ではたいへん重要です。酸塩基状態を知るためには血液ガス分析が必要ですが、一般診療所で動脈血ガス分析を行うことは困難です。
特発性間質性肺炎は、病理組織学的に数種類に分類されますが、名称も複雑で記憶するのもなかなか大変です。臨床所見と組み合わせてなんとか理解しやすくできないか考えてみました。
肺疾患の診断は、一般医にとってはたいへん難しく感じます。一枚の胸部X線写真から診断に至ることは困難ですが、臨床所見と併せると診断に近づくことが可能になります。
肺疾患の診断は、一般医にとってはたいへん難しく感じます。一枚の胸部X線写真から診断に至ることは困難ですが、臨床所見と併せると診断に近づくことが可能になります。
ここでは私案ではありますが、頭痛の発症経過のみに注目して、頭痛診断の流れを簡単にまとめてみました。タイトルは「いろいろある頭痛」とでもしましょうか。
原因が明らかでない脳血栓や心筋梗塞、肺塞栓など血栓性疾患をみた場合に、考えるべき病態(基礎疾患)がいくつかあります。
ここでは外来診療中に目にすることの多い点状出血や皮下出血(紫斑)について、どのような疾患を想起すべきか範囲を広げて考えます。
浮腫と言えば心不全や腎疾患、肝疾患、甲状腺疾患などによるものが、教科書的には主な病態となります。実臨床で診る機会の多い浮腫は…
血管性浮腫は真皮深層から皮下組織にかけての浮腫のため、境界不明瞭なびまん性の広がりのある浮腫となります。これに対して、蕁麻疹は…
原発性腋窩・鎖骨下静脈血栓症は悪性腫瘍やカテーテル留置などに起因しない、健康な成人に自然発症する上肢の静脈血栓症です。
下肢の浮腫は下肢だけに限局する場合は片側性のことが多く、両下肢に存在する場合には程度に差はあっても上肢や顔面にも浮腫が存在することが多いと思います。
下肢の浮内科診療所では関節痛や筋肉痛、しびれなどの相談を受けることがしばしばあります。その中には絞扼性神経障害や整形外科の疾患も多く含まれ、内科でもそれらの基本的な知識が求められます。
なかなか分かりにくいのが消化管アニサキス症とアニサキスアレルギーです。ここでは両者についてまとめてみました。
内科で腰背部痛や脊柱の痛みを診る機会の多くは、整形外科で検査を受けても異常を指摘されず、原因不明と説明を受けた場合です。
いわゆる〝寝違い〟の症状から類推すべき2つのコモンな疾患について私見を述べたいと思います。
発熱診断の機会は、内科診療所では最も多いものです。発熱の原因は年齢によって特徴がみられます。ここでは、年齢に応じた発熱の原因を表にまとめてみました。
神経・筋疾患はきら星のごとく病名が存在する上に、それら病名がとっつきにくいためか、敬遠されがちな領域です。実臨床で診る機会が多いのは…
筋疾患を疑う臨床症状と検査所見は次のように要約できます。(これらは私見であることをお断りします。)
臨床症状は感覚障害と運動障害がみられますが、いずれも局在がはっきりしていることが最大の特徴です。
脊髄(脊髄神経・神経根を含む)および脳幹(脳神経を含む)では神経症状は異なります。疾患としてみた場合、神経所見さらには脳症状などがオーバーラップしていることがあります。
ここでは小脳疾患の代表として多系統萎縮症と小脳脊髄変性症を挙げました。小脳症状の中心は運動失調です。
大脳基底核は大脳皮質と視床、脳幹を結びつけている神経核の集まりです。ここでは視床と大脳基底核が関与する疾患についてまとめました。
大脳の疾患は脳血管障害などと異なり病変が広範囲に及ぶため、一次脳機能障害だけでなく高次脳機能が関与した症状が出やすいことが特徴です。
個人的には、「多臓器障害を伴いやすい全身性疾患」では、膠原病よりもまず血管炎を疑う必要があると常々感じています。
いろいろな血管炎を理解する上で、有名な図表があります。血管炎と鑑別すべき類似疾患を整理すると、実臨床においてたいへん役に立ちます(私見)。
日常診療の中で血管炎に有用な診断のポイントをまとめることにします。ここでは私見として、血管炎の類縁疾患も加えて考えます。
意識障害は正常とは異なる意識状態が続くことを言います。ここでは脳の器質的疾患は除き可逆的な意識障害について考えます。
内科診療所でみる機会の多いリンパ節腫大は、患者からの自己申告によるものがほとんどです。実地診療で遭遇する機会の多い疾患について述べることにします。
総合内科の第一歩は神経の仕組みを理解することです。いろいろな症状を神経支配と結びつけることで、病態により一層理論的にアプローチできるからです。
腕神経叢は、首の部分の脊髄から出て来る第5頸神経から第1胸神経から形成されます。内科的に注意すべきは、悪性腫瘍や神経原性腫瘍に合併した腕神経叢や末梢神経障害です。
腰神経叢から分枝する神経の中で内科外来において遭遇する機会の多い臨床的に重要な神経は、外側大腿皮神経、大腿神経および閉鎖神経です。
陰部神経叢は脊髄神経から分岐し、腰神経叢や仙骨神経叢と相互に連結しているためこれらを合わせて腰仙骨神経叢に含まれます。
結節性紅斑は内科疾患とも関係の深い重要な皮膚所見です。下腿伸側の硬結と著明な圧痛を伴う紅斑は結節性紅斑の特徴です。