総合内科のアプローチ ~臨床研修医のために~特発性間質性肺炎 

総合内科のアプローチ ~臨床研修医のために~ 臨床研修医のみなさんへ、Drみやけの診断の「虎の巻」をお教えします。

特発性間質性肺炎

Dr.みやけ

特発性間質性肺炎は、病理組織学的に数種類に分類されますが、名称も複雑で記憶するのもなかなか大変です。

臨床所見と組み合わせてなんとか理解しやすくできないか 考えてみました。

私案ですが、臨床経過と組み合わせると次のようにまとめることができ、理解しやすくなりました。そこに、臨床的な特徴(年齢や喫煙との関係)を加えるだけで、次の表のようにたいへん理解しやすくなります。

内科診療所で遭遇する間質性肺炎としては、特発性肺線維症は比較的多く、ついで抗生剤不応性肺炎としての特発性器質化肺炎もしばしば経験します。また、皮膚筋炎に関連した間質性肺炎も経験します。
皮膚筋炎は自己抗体を調べることにより診断が可能で、抗ARS抗体、抗MDA5抗体、抗TIF1-γ抗体などは診療所でも行うことができる検査です。

特発性間質性肺炎(IIPs)まとめ

■急性

  好発年齢 喫煙 治療法 予後
急性
間質性肺炎
(AIP)
全年齢層 不明 最善の治療法
は不明
死亡率は6ヶ月
で60%
特発性
器質化肺炎
(COP)
40~50歳 50%以下 ステロイド 2/3が完全に回復する
が多くが再発,
死亡はまれ
鑑別
  • 抗ARS抗体症候群に伴う間質性肺炎(皮膚筋炎)および
    抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎(急速進行性間質性肺炎)
  • 急性線維素性器質化肺炎(AFOP):
    病理学的に器質化肺炎を有するものの線維素が目立ち、
    ステロイドが有効な例も無効な例もある
  • 急性好酸球性肺炎:
    原因不明だが多くの例で喫煙開始との関連が示唆、
    10歳代後半~20歳代の若者に多い
    肺水腫に似た両側びまん性のすりガラス影や
    浸潤影、胸水を高頻度に認める

■亜急性(4~6ヵ月)

  好発年齢 喫煙 治療法 予後
非特異性
間質性肺炎
(NSIP)
40~60歳の
女性
40%以下 ステロイド 死亡率は5年
で10%未満
はくり性
間質性肺炎
(DIP)
40~50歳
男性
90%以上 禁煙、
ステロイド
死亡率は5年
で5%
鑑別 過敏性肺炎(夏型、鳥関連、住宅関連、農夫肺など)、
薬剤性肺炎、肺病変先行型膠原病 など

■慢性

  好発年齢 喫煙 治療法 予後
特発性
肺線維症
(IPF)
60歳過ぎた
男性
60%以上 ほとんどの
治療法は無効
死亡率は5年
で50~70%
鑑別 呼吸細気管支炎関連間質性肺疾患(RB-ILD)
好発年齢:40~50歳(やや男性に多い) 喫煙:90%以上
治療法:禁煙、ステロイド 予後:死亡はまれ

その他

PPFE(pleuroparenchymal fibroelastosis)
肺尖部の胸膜肥厚と上葉を中心とする収縮を主徴とし、拘束性換気障害が徐々に進行
線維化は肺構造の破壊を伴わず、肺胞腔内の器質化滲出物が膠原線維に変化
いわば器質化肺炎が吸収されないまま残存した像、徐々に進行し予後は不良

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