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パズルで分かる不整脈

洞性頻脈

洞性頻脈はもっとも一般的にみられる不整脈の一つです。感じ方には個人差がありますが、ドッドッドと脈が大きく速く打っているように感じます。心臓がどうかなるのではないかという強い不安感を伴うことがほとんどです。逆に不安感が強くなければ、洞性頻脈はあまり問題になりません。貧血や甲状腺機能亢進症(バセドウ病)でも洞性頻脈は起こります。この場合、自覚症状はそれほど強くなくても治療は必要です。更年期障害の症状の一つとして洞性頻脈が起こることもしばしばあります。

洞性頻脈とは

心臓の正常調律を洞調律といいますが、成人の安静時の心拍数はおよそ毎分50~70回程度です。心拍数が1分間に100回以上を頻脈といいます。頻脈でも脈が大きく強く打つことがなければ(これを動悸といいます)、自覚症状はほとんどありません。

毎分100~150回くらいの頻脈で、動悸として感じる原因としては、ふだん健康な人では精神的緊張の状態(不安、興奮等)時に認められることが多く、心臓などの病気が原因のことはまれです。しばしば動悸は仕事やストレスから解放された時、とくに夜に感じることがあります。一人でいるときに洞性頻脈が起こると、このままどうかなるのではないかという不安感が強くなります。不安感が強いと動悸がより強く感じるようになり、悪循環に陥ります。

動悸に対する不安感が強くなると、呼吸が荒くなり、過換気症候群(過呼吸症候群)が起こることがあります。

洞性頻脈の原因

洞性頻脈は緊張時や運動時には誰でも起こるものです。運動時には気にならなくとも、緊張時にはドキドキと脈が大きく速く打つのを感じます。ふつうは時間が経つと洞性頻脈は自然に収まり気にならなくなります。しかし緊張状態が常時続くと洞性頻脈が持続したり、夜などに緊張感から解放されたときに、洞性頻脈を生じてドキドキと感じることがあります。


(イラスト1)

(イラスト1) 心臓は自律神経(交感神経と副交感神経)によって支配され、何らかの要因で交感神経が優位になると心拍数が増えます。心因性、運動性の要因が多いのですが、常用している薬(血圧降下剤など)による場合もあります。精神的な緊張状態では、交感神経活動が亢進しています。交感神経が緊張すると、洞性頻脈などの動悸だけでなく、血圧の上昇、発汗などが起こりやすくなります。人によっては、下痢や腹痛などが起こることもあります。

常に緊張状態が続いたり、ストレスにさらされていると、私たちは緊張やストレスを自覚しなくなる慣れの現象が起こります。しかし、交感神経の緊張状態はその中でも持続しているため、ストレス病といわれるいろいろな症状や病気が起こりやすくなります。洞性頻脈の多くもそうした原因で起こってきます。

【重要】洞性頻脈は、感染、貧血、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、心臓疾患、呼吸器疾患などで認められる事もあり、これら疾患のチェックが必要になる事もあります。

■洞性頻脈の心電図と診断

心電図をクリックすると拡大します

(心電図1)洞性頻脈
(心電図1)洞性頻脈

(心電図1) 洞性頻脈に特徴的な心電図波形の変化はありません。しかし、正常に比べて毎分100~140回程度に心拍数が増えています。心電図の説明では異常なしと判断されることもしばしばあります。洞性頻脈は、動悸と心電図で心拍数の増加以外には変化がないこと、精神的な緊張状態にあることなどから診断できます。

少し詳しい説明

洞性頻脈の心電図と電気生理的な特徴は、

  1. 交感神経緊張により、洞結節からの興奮が頻繁となっている状態で、洞調律の状態は変わっていない
  2. そのため、P波からQRS、T波へと続く関係は正常で、心電図の波形は変わらない
  3. 徐々に脈が速くなっていくことと、血圧は正常か、あるいは上昇する

洞結節からの刺激発生頻度が高くなることで頻脈状態となる。この場合、心拍数は毎分100~150回程度となるが、発作性上室頻拍と異なり、心拍は徐々に上昇する。P波はQRS波の前に存在し、比較的認めやすい

発作性上室性頻拍症や心房細動との違い

不整脈の種類
(イラスト2)

(心電図1)洞性頻脈
(心電図1)洞性頻脈

(心電図2)発作性上室性頻拍症
(心電図2)発作性上室性頻拍症

(心電図3)心房細動
(心電図3)心房細動

(イラスト2) 脈が速くなる不整脈(頻脈)の代表的なものは、(1)洞性頻脈、(2)発作性上室性頻拍症、(3)発作性心房細動 の三つです。

洞性頻脈は、急に脈が速くなるのではなく、ふつうは徐々に脈が速くなり気がついた時には動悸が強くなります。一般には緊張やストレスから解放された時、とくに夕方から就寝時に起こりやすくなります。不安感も強くなりますが、ふつうは何とかがまんすることができます。(心電図1)

これに対して発作性上室性頻拍症では、突然、発作的に頻脈発作が起こります。心拍数も毎分180回前後のことが多く、初めの10分から20分くらいはがまんできても、動悸の辛さと不安感からそれ以上にがまんすることは困難です。救急車を呼んだり、病院にかけ込むことがほとんどです。頻脈発作は突然止まります。知らないうちに動悸が収まる洞性頻脈との違いの一つです。(心電図2)

発作性心房細動では、始まりと終わりは発作性上室性頻拍症ほどはっきりと分かりません。心房細動の発作時は動悸や胸の不快感、圧迫感などを自覚することが多いのですが、発作性上室性頻拍症ほど苦しさはなく、何とかがまんはできることがほとんどです。しかし発作時の脈が速いと、発作性上室性頻拍症と同じように苦しく感じます。持続時間はさまざまで、短いものでは1~2時間くらいから長いと半日から2日くらい続くことがあります。手首の所で注意して脈をとると、脈の間隔が不規則だったり、脈に強弱があるのが分かります。発作性心房細動では、脈が速くなると手首では脈が触れにくくなります。(心電図3)

洞性頻脈の治療

洞性頻脈の原因が心疾患や貧血、甲状腺などの病気が原因ではないことや、精神的な緊張やストレスが原因で起こることを納得すると、動悸に対する不安感が軽減して薬など必要をしないことがほとんどです。

しかし自覚症状が強い時には薬が必要になります。一般的な薬としては、動悸を沈めるためにベータ遮断薬やカルシウム拮抗薬の一種(ワソランなど)が使用されます。また抗不安薬を使用することもあります。定期的に内服を指示することもあれば、動悸を自覚する時だけ内服するように説明することもあります。

洞性頻脈は無害な不整脈ですが、動悸に対する不安感が強いと心臓神経症と呼ばれるようになります。この場合には、心療内科としての治療が有効です。

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