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パズルで分かる不整脈

徐脈性不整脈

心拍数が遅くなる不整脈を徐脈性不整脈と呼ぶことにします。徐脈性不整脈には、(1)ふだんは正常の脈を打ちながら、突然脈が遅くなり、しばらく心停止を起こすものと、(2)ふだんから脈が遅くなるもの の二つがあります。

徐脈性不整脈は自覚症状が出にくいため、自分では気がつきにくいのですが、ひどくなると意識がなくなる失神発作を起こすためたいへん危険です。

徐脈性不整脈の症状

徐脈性不整脈の症状は、不整脈の起こり方で異なってきます。

(1) 正常の脈を打っていたのが、突然脈が遅くなると、一瞬めまいを感じることがあります。数秒間、心臓が停止すると、急に意識を失って失神発作を起こします。これらのめまいや失神発作は、前ぶれなく突然起こるため、不整脈が原因だとは自分では気がつくことはまずありませんが、命にもかかわることがありたいへん危険です。

(2) 徐脈性不整脈の種類によっては、ふつうから脈が毎分30~40回程度に遅くなるものがあります。こうした不整脈があると、フーとするめまいだけでなく、足がむくんできたり、階段や坂道で息切れがするといった心不全症状が起こるようになります。

 

失神発作について

失神発作は日常で比較的多くみられる症状です。失神発作は脳の病気が原因と考えられがちですが、実際には脳の病気が原因で起こることは少なく、ほとんどは副交感神経反射(迷走神経反射ともいいます)が原因です。

副交感神経反射が亢進すると、一時的に血圧が低下し、脳の血流が減少して失神発作を起こします(一般に脳貧血といわれるものです)。この場合、頭から血の気がひくのが自分でも分かることが多く、目の前がぼんやりして暗くなっていくのが分かり、やがて意識を失います。

高齢者が夜間トイレをすませた後に起こす失神、若い女性が電車の中などで立っているときに気分が悪くなりフーとして倒れる場合、小学生の女の子が朝礼で立っているときに起こす失神などはこれに当たります。

これに対して徐脈性不整脈が原因の場合には、前ぶれなく急に意識がなくなる特徴があります。失神発作をみたときには、脳の病気はもちろん除外する必要はありますが、むしろ徐脈性不整脈を疑いながら検査を行うことが大切です。

徐脈性不整脈の種類

徐脈性不整脈には大きく分けて二種類あります。

〈1〉心臓が規則正しく動くための電気スイッチとなる洞結節の異常、
〈2〉心臓の中には電流が流れるための電線が通っていて、刺激伝導系といいますが、この電線が断線するために起こるもの の二種類です。

〈1〉の洞結節の異常を、洞不全症候群といい、〈2〉の刺激伝導系の異常を、房室ブロックといいます。

少し詳しい説明

心臓が動くときには、1.電気のスイッチが入り、2.次に電線を電流が流れる必要があります。電線は左心室に行く電線と右心室に行く電線の2本に分かれます。

心臓のメインスイッチは右房にあり「洞結節」と呼ばれます。心房と心室の境目には予備スイッチとして働く「房室結節」があります。洞房結節はメインスイッチの洞結節の調子が悪くなったとき、心房内の電気の流れが悪くなったときに予備スイッチとして働く重要な役割があります。

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(イラスト1)刺激伝導系
(イラスト1)

(イラスト1) 初めは1本だった電線「ヒス束」は心室では2本に分かれます。このうち左室に向かう電線を「左脚」、右室に向かう電線を「右脚」と呼びます。さらに細かく枝分かれした電線網を「プルキンエ線維」といいます。

右房内の電線は心室ほどはっきりとしたものではありませんが、いくつかの電気の通り道があります。このような心房と心室の中を走るスイッチと電線の関係を心臓の「刺激伝導系」といいます。

メインスイッチである洞結節にスイッチが入ると 洞結節→心房内の電線→房室結節→ヒス束→左脚と右脚 に電気が流れて心臓が収縮するわけです。

洞不全症候群とは

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(心電図1)洞不全症候群(洞房ブロックの例)

(心電図2)洞不全症候群
(心電図2)洞不全症候群

(心電図3)洞不全症候群
(心電図3)洞不全症候群

(心電図1、2、3)

心臓が動く仕組みは、スイッチと電線にたとえて考えると考えやすいです。スイッチが入ると電気が電線に流れて、心臓が収縮します。スイッチのことを心臓では洞結節といいます。スイッチの異常が、洞不全症候群といわれるものです。

洞結節の不良のために、心臓のスイッチが入りにくくなると心拍が遅くなったり、心停止を起こすようになります。こうなるとフーとするめまいや失神発作を起こすようになります。これが洞不全症候群の中で、洞徐脈とか洞房ブロック、洞停止といわれるものです。

また、洞不全症候群には急に心拍が速くなったり、急に遅くなったりする徐脈-頻脈症候群があります。心房細動という不整脈は心拍がバラバラに不規則になる不整脈ですが、心拍が早く打つこともあれば、急に心拍数が遅くなることがあります。

洞不全症候群は年齢を経るにつれて多くなり、ペースメーカーの植え込みがしばしば必要になります。

房室ブロックとは

(心電図4)PQ時間延長の心電図
(心電図4)PQ時間延長の心電図

(心電図5)第2度房室ブロック
(心電図5)第2度房室ブロック

(心電図6)完全房室ブロック(第3度ブロック)
(心電図6)完全房室ブロック(第3度ブロック)

(心電図4、5、6)

洞不全症候群が、心臓のスイッチの異常であるのに対して、房室ブロックは電線の異常が原因で起こります。一番多い原因は動脈硬化です。

房室ブロックの程度は、電線の通り具合によって3種類に分けられます。

断線しないで電線の電気が流れにくい状態は、PQ延長(第1度房室ブロック)といわれます。PQ延長では、電気が心房内を流れるのに時間がかかるようになります。心電図ではPQ時間(PQ時間は電気が心房内を流れる時間)が延長します。

電線の状態が悪くなると、次第に断線するようになります。初めは断続的に断線していたのが、進行すると完全に断線するようになります。断続的に断線する状態を第2度房室ブロック、完全に断線した状態を第3度房室ブロックといいます。

第2度房室ブロックの心電図の特徴は、P波(心臓のスイッチが入ったことを意味します)の後に、QRS波(心臓の電線に電気が流れて収縮したことを意味します)が続いて出現しないことです。

第3度房室ブロックの心電図の特徴は、P波とQRS波とが完全に解離して出現することです。完全に断線しても心臓が完全に停止するわけではありません。心臓には房室結節という予備スイッチがあり、これが働くことになります。予備スイッチのおかげで心臓は何とか動きますが、心拍数はせいぜい多くても毎分40回程度で、頼りないものです。

第2度房室ブロックと第3度房室ブロックは混在して現れることが多く、高度房室ブロックといいます。高度房室ブロックはペースメーカー植え込みの対象になります。

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