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心房細動について

8.レートコントロールか? リズムコントロールか?

心房細動が消失し、長期間にわたり正常の洞調律が維持されれば(リズムコントロール)、さまざまの自覚症状は改善するだけでなく、血栓塞栓症などの 危険性が少なくなるなどの多くのメリットが期待されます。しかし、すべての心房細動の例で正常の洞調律に回復させることができるわけではありません。

すでに心房細動が慢性化していて正常の洞調律に回復させることが困難な例や、除細動を行ってもすぐに再発する例では、心房細動はそのままで心拍数のみをコントロールすること(レートコントロール)により、自覚症状の改善や心不全の防止が得られることも少なくありません。

では強力な抗不整脈薬を長期間用いて積極的に洞調律を維持するリズムコントロール治療が、患者さんの長期予後を本当に改善させているのでしょうか? あるいはレートコントロールのみでは予後の改善は得られないのでしょうか?

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(イラスト1)

この疑問に答えを出すために、最近アメリカ・カナダ、およびヨーロッパで行われた二つの大規模試験の結果が大きな波紋を呼びました。すなわち両者の結果とも、大方の予想に反してレートコントロール群よりも、リズムコントロール群の方が生命予後が悪い傾向が認められました(イラスト1)。この結果を踏まえて、心房細動の治療方針としては、まず心拍数コントロール法を推奨するというものでした。

この結果を受けて、わが国ではその成績をどのように評価するのか議論が起こっています。両者の試験を細かく検討すると多くの問題点が指摘され、日本人における心房細動治療にその成績をそのまま当てはめて考えるには多くの問題点があることが指摘されました。

日本でもすでに大規模試験が企画立案され、現在全国規模で症例登録が勧められています。結果までには数年を要しますが、この日本における成績が、リズムコントロールかレートコントロールか 明確な答えを出してくれるものと期待されています。

 

レートコントロールについて

心房細動を受容し、心拍数を調節することで患者の生活の質の向上を図ろうとする治療法です。心房細動の予防と同時に行われること もあります。緊急の場合を除き、基本的には経口投与で心拍数調節を図ります。心不全がある場合にはジギタリス製剤を第一選択とし、心不全がない場合にはカ ルシウム拮抗薬やベータ遮断薬を用います。

安静時心拍数60〜80/分、軽度運動時90〜115/分を目標にします。なお、心拍数は心電図しか評価できません。手首の脈を測る方法では正確に測定できないので注意が必要です。

7.ワーファリンによる
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■心房細動について

  1. 心房細動の心電図
  2. 心房細動と心拍数
  3. 心房細動の治療上の問題点
  4. 慢性心房細動と一過性心房細動
  5. 心房細動の原因
  6. 心房細動と血栓塞栓症
  7. ワーファリンによる血栓塞栓症の予防
  8. レートコントロールか?リズムコントロールか?