認知症の種類
3レビー小体型認知症
レビー小体型認知症は幻想やうつ状態、パーキンソン病のような症状が特徴です。これらの症状が変動します。
脳の内部に異常なタンパク質(レビー小体)がたまって、神経細胞が障害を受けて起こります。
レビー小体型認知症のおもな症状
はっきりした(リアルな)幻視や被害妄想、抑うつ症状が出ます。手足が震える、身体の動きが遅くなる、歩調が小さくなるなどパーキンソン病と似た症状も出ます。初期の段階では、これらの症状がすべて出るわけではありません。その日によって症状の変化が激しいことも特徴です。
幻視は、「虫や蛇などが部屋にいる」、「知らない人がいる」、「遠くにいるはずの子供が帰ってきている」などと具体的に訴え、それに向かって話しかけている事もあります。
レム睡眠行動障害は、睡眠中に大きな声での寝言、奇声を上げる、怒る、怖がる、暴れるなどの行動が病初期にみられます。これは、追いかけられる、暴力をふるわれるなど、悪夢を見ている場合がほとんどです
レビー小体型認知症のポイント
- うつと幻視は早期から認められる中核症状。幻視はそこにいない人物や小動物がありありと見え、その内容をリアルに詳しく語ることが多い。幻視は後頭葉の血流低下と何らかの関係があると考えられる
- 今まで「老年期のうつは認知症の前駆状態」と言われてきたが、「老人性うつ病」の治療抵抗群にアルツハイマー型認知症よりもレビー小体型認知症に伸展していく例がある
- 「高齢発症のうつ」で抗うつ薬の効果が乏しいとき、認知症を念頭に置く必要がある
- 典型例ではSPECTで後頭葉の血流低下が認められるが、本症の比較的早期からMIBG心筋シンチグラフィーで取り込み低下も認められる
4前頭側頭型認知症
前頭葉は思考や判断、人格などの高次脳機能に関係しています。前頭葉や側頭葉が縮んできます(萎縮)が、はじめは「物忘れ」がみられないで、人格の変化が起こるのが特徴です。
前頭側頭型認知症のおもな症状
初期にはアルツハイマー型認知症のような記憶障害がみられないのが特徴です。
いくつかのタイプがありますが、ピック病が代表です。社会的なルールを無視するような行動、極端な意欲減退などがみられます。食べ物の好みが変化したり、同じ言葉や行動をくり返したりします。いっしょに生活している人は、まるで別人になったかのように感じるほどです。
前頭側頭型変性症は、脳の前頭葉や側頭葉の変性と委縮がみられる精神疾患です。病気の進行に伴って脳の委縮がみられることはアルツハイマー型と同じですが、委縮する部分が異なります。アルツハイマー型が頭頂葉や側頭葉内側の委縮が起こるのに対して、前頭側頭型変性症は前頭葉や側頭葉に委縮が現れます。
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