さて、実際の心電図に目を向けましょう。
心電図の波形は電極を付けた部位によって異なりますが、基本形はイラストに示すように3つの波からできています。(イラスト1)
初めに小さなドーム状の波(これを「P波」といいます)があります。
次にとがった背の高い波(これを「R波」といいます)があります。
次にやや大きなドーム状の波(これを「T波」といいます)があります。
心電図の波形はこの3つの波の繰り返しからできています。
もう少し詳しくみると、R波の前後には小さな下向きの波「Q波」と「S波」があります。
前後のQ波、S波を合わせてR波を「QRS波」ということがあります。
Q波とS波は12誘導心電図では見えやすい誘導と見えにくい誘導があります。
心臓が収縮・弛緩をくり返すのは、次に述べるように電気的に1から4をくり返しているからです。
- 洞結節にスイッチが入り
- 電流が心房を流れて、房室結節に入り
- 心室内の電線(左脚と右脚)に電流が流れると、心臓が収縮する(脱分極)
- 電流の流れが一時的に途絶えると、心臓が弛緩する(再分極)
このように1から4と電気の流れが変化するにつれて、P波・QRS波・T波ができます。
すなわち、
- 洞結節にスイッチが入る→P波
- 電流が心房から房室結節に流れる→P波の始まりからQ波の始まりまで(PQ時間)
- 心室に電気が流れて心臓が収縮する→QRS波
- 心臓が弛緩する→T波
という関係があります。
これを知っているだけでほとんどの心電図を読むことができます。
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