Q2:果物・野菜アレルギーと花粉症の関係について教えてください。
A2:花粉症と果物・野菜アレルギーとは関係が深く、花粉食物アレルギー症候群とよばれます。花粉によって気道から感作(アレルギーの準備状態)が成立し、花粉と交差反応性がある果物や野菜を食べると、口腔アレルギー症候群(OAS)が起こることがあります。花粉との交差反応を介してOASを起こす食物は多数あります。

近年、多くのアレルゲン成分(コンポーネント)が同定されています。ブタクサやヨモギについても多くのコンポーネントが明らかになってきました。
ブタクサやヨモギ花粉症でも口腔アレルギー症状(OAS)がみられることがあります。ブタクサでは種にメロンやスイカなどウリ科の果実により起こり、ヨモギではセロリやニンジンなどのセリ科の野菜によりOASが起こることが報告されています。
メロンやキウイなどのOASは、ブタクサやヨモギ、イネ科花粉症に高頻度に合併することが報告されています。

OASは気づいていないこともありますが、花粉症の人では、OASを起こしやすい果実や野菜などを食べた後に、口のまわりやのどのかゆみ。イガイガなどの症状がないか注意する必要があります。
カモガヤ
カモガヤはスギが過ぎ去ったあと、初夏から夏にかけて(5月から9月ころ)花粉を飛ばします。道路わきや公園、河川敷などに生育します。春に花粉症の症状がありスギ花粉と自分で判断していても、実際に血液検査(特異的IgE抗体)でスギ花粉と診断できるのは約80%、そのうち52%がカモガヤ花粉にも感作されていました。
すなわち、スギ花粉症の半数の人がカモガヤ花粉症を持っていると言われています。スギなどの樹木に比べ花粉の飛散距離が短いため、近づかないことで症状を抑えることができます。果物と交差抗原性があります。

ブタクサやヨモギ
わが国で最初に報告された花粉症は秋に症状の現れるブタクサ花粉症です。スギ花粉症だけでなく、ブタクサなど秋の花粉症も増加しつつあります。ブタクサやヨモギは秋(8月から10月ころ)の代表的な花粉症を起こす雑草です。
道路わき、公園、河川敷などに生育します。ブタクサやヨモギなどの草木花粉は、スギやヒノキなどの樹木花粉と異なり花粉が数メートルしか飛散しないため、近寄らないようにするだけでも十分にアレルギー症状を予防することができます。

ハンノキ

ハンノキとその仲間は公園など身近な場所でみられます。1月から6月頃までなんらかのハンノキの仲間の花粉が飛散し、花粉症の原因となります。ハンノキの花粉症があるとりんごやモモを食べたときにのどがイガイガしたり、口がはれたりするOASを起こすことがあります。

※このサイトは、地域医療に携わる町医者としての健康に関する情報の発信をおもな目的としています。
※写真の利用についてのお問い合わせは こちら をご覧ください。