Q3:果物・野菜による口腔内アレルギー症候群(OAS)について教えてください。
A3:口腔アレルギー症候群(OAS)は1987年に初めて提唱され、2001年にアメリカのガイドラインでOASが定義されました。
それによると、OASは咽喉頭にほぼ限局した接触アレルギーの一形態であり、典型的には新鮮な果物や野菜を食べている最中に引き起こされるアレルギーの即時型反応です。この反応は一般的に、特定の果物や野菜に交差反応を示す花粉に対するアレルギー症状を主として、成人に起こります。
ふつうこれらの原因タンパク質の抗原性は不安定であるため、調理された果物や野菜では症状は起こしません。
口腔アレルギー症候群(OAS)の症状
原因食物を食べた後(多くは5分以内)に、口腔違和感(口やのどのかゆみやヒリヒリ感)、口唇浮腫、喉頭違和感(のどのつまった感じ)が主な症状です。口腔症状のみの例が80%以上ですが、重篤なアナフィラキシー症状を起こすこともあり注意を要します。

特徴
成人女性に多いとされていますが、最近では学童などにも多く、花粉症との関連から低年齢化しているのが現状です。
抗原
花粉と交差反応を示すとされています。とくに花粉症との関連性が強く、花粉抗原が陽性の場合は、将来的にOASになることも考えられ注意が必要です。乳幼児におもにみられる食物アレルギー即時型反応は、アレルギー素因と消化機能が未熟なことが背景にあります。
OASでは気道粘膜で花粉抗原による感作(アレルギーの準備状態)が起こり、その後に果物・野菜抗原に交差反応を起こすようになります。

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