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学童と大人のための食物アレルギーQandA

4.食物アレルギーの特徴

質問Q9:アレルギー物質の食品表示を読むときの注意を教えてください。

答えA9:食品衛生法の改正により、2002年4月から容器包装された加工食品1g中に特定原材料(卵、牛乳、小麦、そば、落花生)が数μg以上含まれているときにはアレルギー表示が義務付けられるようになりました。
2008年6月にはエビとカニが追加されました。特定原材料とそれに準ずるものをあわせた25品目と表示をみるときの注意は次の通りです。

表示される原材料は25品目に限られる

重篤度・症例数の多い7品目(特定原材料)の表示は省令で義務付けられています。過去に一定の頻度で健康被害がみられた18品目(特定原材料に準ずるもの)については表示することが奨励されています。

アレルギー物質の表示
図1加工食品に含まれるアレルギー物質の表示

あらかじめ箱や袋で包装されているもの、缶やビンに詰められた加工食品が対象

対面販売の惣菜や店頭調理品など容器包装されていない商品には表示義務はありません。

包装面積が30cc以下の小さなものは表示しなくてよい

法的に表示義務はありませんが、被害の重大性を考えると極力、表示すべきと考えられています。

加工食品1gあるいは1ccに対して数μg以下の場合には表示されない

表示は濃度を基準にしています。表示義務以下のタンパク質濃度であっても、1食分摂取するとアナフィラキシー反応を起こす量に達し、症状が出る場合があるので注意する必要があります。

乳糖は「乳」の代替表記

乳糖の製造時に乳タンパクが混入するため、乳糖は「乳」の代替表記として認められています。乳糖自体それほど多く含まれるものではありませんので、ほとんどの患者さんには症状を起こしません。

表示は原材料を基にされており、症状の誘発を示すものではない

参考文献:
1) 独立行政法人環境再生保全機構「ぜん息予防のための よくわかる食物アレルギーの基礎知識」

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学童と大人のための食物アレルギー

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