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よく見られる子どもの病気・症状

しもやけ

Dr.みやけ

小さい頃、手足や耳たぶにしもやけができた思い出があります。

痛がゆくて辛かったのをよく覚えています。しもやけが出来やすい子と出来にくい子がいました。

昔は、寒かった上に暖房器具も今ほど普及していなかったのですが、暖房や湯沸かし器が普及した最近でも、冬になるとしもやけに悩まされる人が多くいます。しもやけは、昼と夜の気温差が大きくなる初冬に起こりやすく、予防には手足の保温が大切です。

しもやけの起こる原因と症状

しもやけは、寒さのために血行が悪くなって起こる炎症です。冷たい冷気にふれやすい手足の指をはじめ、耳たぶ、鼻先やほほなどができやすい所です。

しもやけは暖かい地方と寒い地方で多少の違いはありますが、全国どこでもみられます。幼稚園児や小学生など学童に多くみられます。大人でも体質的になりやすい人や水を使う職業の人に起こることがあります。しもやけを起こしやすい体質というものがあるようです。

手足の指先や耳たぶ、鼻先はとくに冷気にさらされやすく、血管が収縮して血液の循環障害が起こりやすくなります。血管が収縮すると、冷たくなったり痛くなります。暖めることで血液循環が急によくなると、かゆくなります。皮膚が赤くはれるのは、静脈がうっ帯して炎症(うっ滞性静脈炎)を起こしたためです。

しもやけの症状は、炎症部分がはれて赤くなり、じんじんするような感覚、むずがゆさや軽い痛みで始まり、ひどくなると皮膚が赤黒くなり、さらに皮膚の一部に潰瘍ができることもあります(しもやけがくずれた と言います)。
放っておくと細菌感染を起こしてさらに悪化することがあります。こうなるまでに皮膚科で治療を受けた方がよいのですが、まず予防が第一です。

しもやけの予防

しもやけの予防
図1しもやけの予防

しもやけは、最低気温が5度前後で、昼と夜の気温差が大きくなると起こりやすくなります。予防するには、こうした時期に冷たい外気や水にさらされる部分の保温管理が第一です。

寒くなる前、晩秋のころから早めに手袋をはめ、靴下をはき、直接寒さにさらされないようにしましょう。しもやけになる前に、毎日5分前後、一日2回くらい手足をマッサージして、血液の循環をよくしましょう。

寒くなってからは、外出時には手袋をはめる、厚手の靴下をはく、マフラーや耳当てをする、マスクをする-といったことに注意します。

保温とともに大切なのは、手足が湿気ないようにすることです。しもやけには、温度だけではなく湿度も関係が深く、手足がぬれたままだとしもやけが起こりやすくなります。水仕事をした後、雪遊びなどで手足をぬらした後には、乾いた布で水分をよく拭き取ることが大切です。

気がつきにくいのは足の乾燥です。靴下が蒸れて湿り、しもやけの原因になることがあります。実際、手の指よりも足の指のほうが多いという報告もあります。靴下はこまめに取り替えるか、五本指の靴下を利用して通気をよくすることが大切です。

ビタミンEが有効

しもやけの予防には、ビタミンEの内服が有効なことがあります。ビタミンEは市販薬でも手に入ります。ビタミンEには手足の循環をよくする作用があり、しばしば予防に役立ちます。治療にはヘパリン含有軟膏を使うことがあります(ヘパリンには、うっ滞性静脈炎を改善する作用があります)。

しもやけと似ている他の病気があります。とくに大人の場合には、しもやけのようにみえて、本当は他の大きな病気が原因のことがあります。凍瘡状エリテマトーデス、多形性滲出性紅斑、サルコイドーシス、膠原病などです。気をつける必要があります。

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