Q5:じんま疹や口の違和感(OAS)などの、比較的軽いアレルギー症状の時に使う、内服薬を教えてください。
A5:食物アレルギーで起こる発赤・じんま疹・浮腫などの皮膚症状やのどや口の中の違和感(OAS)に対しては、抗ヒスタミン薬が適応になります。
皮膚の症状が全身に広がったり、咳や喘鳴(ゼーゼーという息づかい)が出てきたときには、ステロイドの内服やもし持参していれば気管支拡張薬(吸入や内服)を考慮します。
抗ヒスタミン薬には第一世代と第二世代があります。第一世代抗ヒスタミン薬は、即効性に優れていますが、効果の持続時間が短く、脳内への移行が大きいため眠気など中枢神経鎮静作用が問題となります。
また抗コリン作用により口渇を生じ、緑内障や前立腺肥大には禁忌です。また、気管支喘息急性発作時には、喀痰を粘調にして出にくくし、呼吸困難をいっそう悪くする危険性があります。
第二世代抗ヒスタミン薬は抗アレルギー薬として知られています。病院や診療所で花粉症やアレルギー性鼻炎、じんましん、アトピー性皮膚炎などで多用される薬で、第一世代のような副作用はかなり軽減されています。
毎日内服するのと異なり、食物アレルギーの起こった緊急時に使用するときには、速やかに最高血中濃度に到達する薬剤が望まれます。それぞれの薬の特徴を考え、主治医とよく相談して持参しておくことが望まれます。
ステロイドは、食物アレルギーでは長期間の内服でないため、副作用はほとんど問題になりません。アレルギー症状の改善にたいへん有用な薬剤ですが、ステロイドの種類によっては即効性の効果があまり期待できないものもあります。
第二世代抗ヒスタミン薬とステロイド剤の併用も役に立ちます。
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