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女性と心臓・血管の病気

Ⅰ、更年期と血圧変動(更年期高血圧)

血圧測定と高血圧診断手順
(イラスト)血圧測定と高血圧診断手順

Dr.みやけ

それまでは血圧は高くなかったのに、更年期に近づくにつれて血圧が上がってくる女性が多くいます。

自宅ではそれほど高くなくても診療所や健康診断で血圧を測ると、ドキドキと緊張して血圧もびっくりするほど高くなることがあります。いわゆる「白衣症候群」と呼ばれる血圧上昇です。

自宅血圧が高くなければ降圧薬を飲む必要は少ないのですが、血圧の変動があまりにも大きいときには降圧薬が必要になります。特にほてりやのぼせなどいわゆる更年期症状が強いときほど、血圧変動が大きくなりがちです。血圧が高いと倒れないかと不安になります。肩こりによる頭痛やふわふわ感が加わると倒れないかという不安感がいっそう増し、さらに血圧が上がるという悪循環になりかねません。

更年期の三角関係
(イラスト)更年期の三角関係

更年期では降圧薬の選択も重要です。カルシウム拮抗薬と呼ばれる降圧薬が使用されることが一般的には多いのですが、このカルシウム拮抗薬は血管を拡張させる作用があり、結果的にほてり・のぼせ・頭痛といった更年期症状を悪化させることがあります。
これには個人差が大きく、降圧薬を飲んだ後にほてりやのぼせ・頭痛が強くなる場合には、降圧薬の種類を変更してもらう必要があるかもしれません。

またACE阻害薬という種類の降圧薬は女性では咳が出やすくなることがあります。夜間に乾いた咳が続くときには降圧薬が原因ではないか調べる必要があります。更年期高血圧には、利尿剤、ARB、あるいはアルファ遮断薬またはベータ遮断薬というグループの降圧薬のほうが使いやすいことがあります。

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