ふだんは心臓の拍動を感じることはありませんが、心臓の拍動を身体で感じるときはどんな感じ方でも不整脈と言えます。
更年期に起こりやすい特徴的な不整脈はありませんが、更年期の自律神経の乱れ、すなわち交感神経の緊張による不整脈が起こりやすい傾向があります。
自律神経には交感神経と副交感神経の2種類がありますが、ふだんはこれがうまくバランスをとっていると日常生活を問題なく過ごすことができます。
(イラスト:自律神経)
交感神経緊張で起こりやすい一般的な不整脈は、洞性頻脈と言えるでしょう。洞性頻脈は誰にでも起こる不整脈の一つ、走った後や緊張したときに起こるドッドッドという胸の高まりです。原因が分かっていれば洞性頻脈は気になることは少ないのですが、誘因がなく夜などに急に洞性頻脈が起こるとたいへん不安になりがちです。
交感神経の緊張は心拍数を早くしたり、血圧を上げて動悸を感じる原因になりますが、逆に副交感神経は心拍数を少なくする働きがあります。副交感神経は交感神経が働きすぎないようにストップをかけるのが主な働きです。
若い女性ではこの副交感神経が働きすぎて、血圧が急に下がって失神発作を起こすことがあります。これが次の項で説明する血管迷走神経性失神です。副交感神経が緊張した状態では心拍数が減少するため、いろいろな不整脈が出やすくなります。
期外収縮(上室性と心室性の2種類あります)や、徐脈性不整脈(各種のブロックと呼ばれる不整脈)が出やすくなりことがありますが、ふつうは成長とともに自然に消失します。
*不整脈の診断については本HPの「パズルで分かる不整脈」をご覧下さい。
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