学童と大人のための食物アレルギーQandA > 3.食物アレルギーの診断と検査 Q2 

学童と大人のための食物アレルギーQandA

3.食物アレルギーの診断と検査

質問Q2:即時型とゆっくり型の食物アレルギーの見分け方を教えてください。

答えA2:幼児や学童になると、湿疹を主訴に来院する患者さんばかりでなく、即時型症状を示して来院する患者さんも珍しくなくなります。

「○○を食べたら、じんま疹が出た」、「××を食べたら、全身真っ赤になって咳き込んで苦しそう」、「△△を食べたら、目がはれた」、「□□を食べたら、吐いてげりした」。
これらのように食物を口にして、短時間のうちに、じんま疹などの皮膚症状、咳やぜん息などの呼吸器症状、おう吐やげりのような消化器症状などのさまざまな症状が出てくるのが即時型です。

即時型食物アレルギーはある程度原因がはっきりしていることが多く、疑わしい項目の血液検査をすれば分かります。しかし、原因がはっきりしないケースもあり、そのような場合は食物日誌を用い、原因食物の絞り込みを行い、特異的IgE抗体を検査する必要があります。
また年齢が上がることによってさまざまな食材を摂取するようになるため、年齢により発症型が異なるだけでなく、原因食品も異なるので、特異的IgE抗体の検査項目は異なってきます。

ゆっくり型(Ⅳ型アレルギー反応)は遅延型反応とも呼ばれます。ゆっくり型のうち食物が関係するものの代表的な症状としては、食物が皮膚に付いた際に生じる接触性皮膚炎(いわゆる「かぶれ」)があります。
消化器の症状では現在、IgE抗体を介さない乳児早期の牛乳アレルギーが注目されています。症状が強いのが特徴で、くり返すおう吐や下痢を起こし、ショック状態になることもあります。

ゆっくり型(Ⅳ型)の食物アレルギーの消化器症状は、胃や食道ではおう吐、小腸や大腸では下痢や腹痛、脱水、血便というように症状の出方が異なりますが、頻度はそれほど多くはありません。このような激しい症状も、2~3歳までにほとんどの子が治ります。

ある食べ物を食べた翌日や二日後に、湿疹が悪くなるといった症状が見られる場合、このゆっくり型(遅延型)アレルギーの可能性を考えます。ゆっくり型(遅延型)では、その食品に反応するリンパ球の働きで起きる症状で、IgE抗体は関係しません。
リンパ球の反応を確認するためには、血液からリンパ球を取りだしてアレルゲンと混ぜ合わせ、3日から7日間培養して反応を見る「リンパ球幼弱化試験」を行います。

実際にはこの検査は一部の大学病院などで研究として行われているだけで、一般の臨床検査ではできません。日常では、食物日誌をきちんと記録することがゆっくり型(遅延型)アレルギーの原因を見つけるための手がかりになります。また、除去試験といって、疑わしい食品の摂取を2週間くらい中止してみることがあります。症状の改善(例えば、湿疹がよくなるなど)が、みられれば、その食品が原因の可能性が高まります。

アトピー性皮膚炎はⅠ型アレルギーの代表ととらえられがちですが、皮膚の組織像を分子レベルでとらえた最近の研究によると、ゆっくり型(遅延型)であるⅣ型アレルギーによっておこる側面もあるといわれています。
また、患者さんの実際を見ると、Ⅰ型(即時型)アレルギーとⅣ型(遅延型)アレルギーの傾向をあわせ持つ人も多くなっています。たとえば、卵を食べた直後にじんましんが出て、その後で症状がおさまったころ、半日後にぜんそく発作がおきるというようなぐあいです。

このように、アトピーの発症傾向は一定でなく、年ごとに変化していると指摘する臨床医も増えています。

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学童と大人のための食物アレルギー

1.食物アレルギーについて

2.緊急時の対応

3.食物アレルギーの診断と検査

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  2. 即時型とゆっくり型の食物アレルギーの見分け方を教えてください。
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