Q7:どんなときに皮膚テストを行いますか?有用性について教えてください。
A7:食物アレルギーの検査としては特異的IgE抗体の検査が広く利用されています。皮膚テストは手技がややはんざつなこともあり、実施される機会が少なくなってきました。
しかし、皮膚テストは試験管内で行う特異的IgE抗体と違って、皮膚を使った反応でより臨床症状に近い反応をみることができます。
欠点としては、特異的IgE抗体検査でもいえることですが、感度は高いが、食物負荷試験と比較して特異度が低いこと、つまり皮膚テストが陽性だからといって、必ずしもその抗原に対して食物アレルギーを示すことにはならないことが挙げられます。
食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎では、除去負荷試験で食物アレルギーが確認できても、試験管内の検査である特異的IgE抗体が陰性を示す場合があります。これはIgE抗体が産生されにくい乳児期早期でとくに多くみられます。このような場合でも皮膚テストは陽性となり、原因アレルゲンを特定するきっかけとなることがあります。
最近とくに増加している果物・野菜アレルギーの診断には生の食品による検査が必要で、プリックプリックテスト(果物・野菜を針で刺してからプリックテストを行うこと)により、診断が可能なケースも多く存在します。
参考文献:
1) 「食物アレルギー」 監修斉藤博久、編集海老澤元宏、診断と治療社
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