Q4:特異的IgE抗体のプロバビリティーカーブとは何ですか?
A4:ImmunoCAPのクラスや測定値が高くなるほど、食物経口負荷試験で症状が誘発されやすくなります。ImmunoCAPの測定値と症状誘発の可能性をグラフにしたのがプロバビリティーカーブです。卵白と牛乳のプロバビリティーカーブがよく知られています。
プロバビリティーカーブを活用して、食物経口負荷試験のリスクを評価することができます。リスクが高い場合には食物経口負荷試験をスキップすることがあります。
プロバビリティーカーブの読み方
牛乳のImmunoCAPの測定値が3.0UA/mlの場合、食物経口負荷試験で症状が誘発される確率は1歳未満の児では約90%、1歳児では約50%、2歳児以上の児では約30%となります。しかし、あくまでも確率論であることに留意する必要があります。

一般に、卵白、牛乳、ピーナッツ、魚類に関しては負荷試験陽性的中率が95%以上となる特異的IgE抗体値を設定することはできていますが、小麦、大豆に関しては95%以上の陽性的中率を設定することができていません。
これは卵白、牛乳、ピーナッツ、魚類と比較すると、小麦と大豆ではIgE抗体値のみでは負荷試験の結果を判断することが難しいことを示しています。
すなわち、卵白、牛乳に関しては特異的IgE抗体値は年齢を考慮した上で食物アレルギー診断の参考になりますが(魚介類、ピーナッツに関しては未検討)、小麦、大豆またそれら以外の抗原に関しては特異的IgE抗体値のみの評価では食物アレルギー診断の指標としては難しいことが指摘されています。
※このサイトは、地域医療に携わる町医者としての健康に関する情報の発信をおもな目的としています。
※写真の利用についてのお問い合わせは こちら をご覧ください。