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心臓・血管の話治療抵抗性高血圧 > 4.高血圧治療におけるコントロール不良と治療抵抗性の要因 

思うように下がらない高血圧、手に負えない高血圧「治療抵抗性高血圧」

4.高血圧治療におけるコントロール不良と治療抵抗性の要因

今まで説明してきたように降圧薬の選択肢が増え、日常生活では積極的な高血圧管理が行われるようになってきました。しかし、一方では、肥満や糖代謝異常(糖尿病発症前の高血糖状態なども含まれます)、慢性腎臓病(CKD)などの合併症を有する患者が増え、脳血管障害(脳卒中や心臓病)の発症リスクが高いにもかかわらず、降圧目標が達成できないというケースが少なくありません。

ある病院の調査では、外来の高血圧患者の半数以上が降圧目標に達しておらず、とくに肥満や糖尿病、慢性腎臓病を合併している例では、目標血圧を達成できていない患者が多いことが分かりました。年齢別では、高齢者で降圧目標(140/90mmHg)を達成できない患者は25.5%で、65歳未満(130/85mmHg)では未達成者は57.7%に及んでいます。

日本高血圧学会が作成した「高血圧治療ガイドライン2009」では、生活習慣の習性を行った上で、利尿剤を含む適切な用量の3剤以上の降圧薬を継続して投与しても、目標血圧まで下がらない場合を「治療抵抗性高血圧」と定義しています。また、この定義を満たさない場合でも2~3剤の降圧薬を用いていて、目標血圧を達成できない場合を「コントロール不良高血圧」としています。この定義に照らしてみると、治療抵抗性高血圧は4.8%で、コントロール不良の患者は2~3割いると考えられます。

治療抵抗性高血圧では2型糖尿病や腎不全、脳卒中などの発症率が高いという報告もあります。これらの合併症が起こると、降圧治療はさらに困難になります。肥満や耐糖能異常の患者(糖尿病予備軍を含めた軽い糖尿病患者)では、早期から厳格に降圧治療を行う必要があります。

コントロール不良や治療抵抗性の患者への対応としては、まずは偽抵抗性ともいえる白衣高血圧、不適切な手技による血圧上昇、アドヒアランス不良(治療意欲の欠如による血圧上昇)などといった改善可能な要因を除外することが必要です。

高血圧治療ガイドライン2009では、高血圧治療におけるコントロール不良と治療抵抗性の要因として次の項目が挙げられています。

  • 血圧測定上の問題・・小さすぎるカフと(ゴム嚢)の使用、偽性高血圧
  • 白衣高血圧、白衣現象
  • アドヒアランス不良(治療意欲の欠如による血圧上昇)
  • 生活習慣の問題・・肥満の進行、過度の飲酒
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 体液量過多・・食塩接種の過剰、利尿薬の不適切な使い方、腎障害の進行
  • 降圧薬と拮抗する、あるいはそれ自体で血圧を上昇させる薬物の併用や補助食品の使用
  • 作用機序の類似した降圧薬を併用
  • 二次性高血圧
3.高血圧の自覚症状について << 目次にもどる >> 5.診察室でもっとも多い
「なかなか下がらない高血圧」

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心臓・血管の話

■治療抵抗性高血圧

  1. はじめに
  2. 降圧薬の種類
    1. カルシウム拮抗薬
    2. ACE阻害薬とARB
    3. アルファ遮断薬(α遮断薬),ベータ遮断薬(β遮断薬),アルファベータ遮断薬(αβ遮断薬)
    4. 利尿剤
  3. 高血圧の自覚症状について
  4. 高血圧治療におけるコントロール不良と治療抵抗性の要因降圧薬の種類
  5. 診察室でもっとも多い「なかなか下がらない高血圧」
  6. まず少量の降圧利尿薬の追加
  7. 治療抵抗性の切り札は「アルドステロン拮抗薬」
  8. 慢性腎臓病(CKD)と治療抵抗性高血圧
  9. 血圧の変動性
  10. ベータ遮断薬に期待される役割とは?

誰でも分かる「簡単な心電図の読み方」

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心房細動について