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よく見られる大人の病気・症状(大人の日常起こりやすい症状や病気について、写真やイラストを用いて分かりやすく解説しています)

たこ、うおのめ

Dr.みやけ

足の裏にできるたこやうおのめは、よくあるだけに軽く見られがちですが、高齢者では転倒、糖尿病患者では壊疽の原因になりかねません。

たこもうおのめも慢性的な局部的圧力や刺激を受けて、皮膚表面にある角質が増殖して硬くなったものです。
たこは皮膚表面に丸く突出するのでそれほど痛くはありませんが、うおのめは増殖した角質が皮膚内部に向かって、くさび形に入り込むので、大きくなるにしたがって強い痛みを伴います。(図1)

たこ、うおのめ
図1たこ、うおのめ

発生部位は足が多く、合わない靴と足の変形が主な原因になります。女性のハイヒールは指先を圧迫するのでとくに起こしやすくなります。ひざ関節症があっても出来やすくなります。

たこ、うおのめの治療

治療は、いずれも削り取るか、角質を柔らかくしてから除去する「スピルこう」を使うのが基本です。こうした治療は家庭でできるため、かみそりなどで自分で削り、そこから細菌が入って化膿するなどして二次感染を起こすことがあり注意が必要です。

一週間程度、「スピルこう」を張って柔らかくしてから、ひげそり用の安全カミソリを使い薄く削るようにすると、健常な皮膚を痛めることなくうまく削ることができます。
「スピルこう」は健康な皮膚に貼らないように、最小限使います。入浴で取れてしまったときには、新しく貼り直します。絆創膏で固定すると取れにくくなります。

糖尿病があると、たこやうおのめの過度の圧迫によって組織が腐ってしまう壊疽を引き起こしたり、高齢者では痛みのため転倒の原因になることもあります。
ひどいと思ったときには皮膚科や外科で治療を受け、とくに糖尿病の患者や高齢者はきちんと治療すべきです。

靴選びは慎重に

予防法としては、市販の「うおのめパッド」を貼る方法が簡単ですが、繰り返し起こる場合には、靴選びを慎重にしましょう。外反母趾がひどいときには、整形外科で診察を受ける必要があります。

靴選びの注意点としては、

  1. かかとを入れる部分が硬くて安定している、
  2. つま先は一番長い指から0.5~1センチのゆとりがある、
  3. 靴底はある程度の厚みがある、
  4. 足の甲を押さえる部分がある、
  5. 靴のひもや面ファスナーなどで足の甲を安定できる

などです。ひもはしっかりと結び、足の変形や痛みが強い人では、自分の足に合った中敷きを利用すると効果的です。ハイヒールは避けましょう。
フットケアの看板が掛かっている靴専門店で相談するのもいいでしょう。

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