パズルで分かる「子どもの病気」子どもの熱 

急病センター受診の前に・・・パズルで分かる「子どもの病気」

子どもの熱

熱があるかぜの症状No頸部のリンパ節のはれYes手足に発疹No熱は軽いYes ときは・・・

かぜの症状や発疹もなく、発熱も軽いときのリンパ節の一つ二つのはれは、あまり心配はないと考えられます。

しかし筆者の経験では、熱もなく首のリンパ節の大きなはれだけがみられた小児で川崎病の場合がありました。
このように他の症状がなくても首のリンパ節の大きなはれがみられたり、小さなリンパ節のはれでも左右に多数あるときにはいろいろな病気が原因のことがあります。放っておかないで医師の診察が受けるようにしましょう。

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)のはれと間違うことがあります。次の診断のポイントをご覧ください。

診断のポイント

子どもでは耳の後ろの硬い骨のあるところや後頭部に1cmくらいのリンパ節のはれを1,2個生じることがあります。痛みを伴うこともありますが、このようなリンパ節のはれはあまり心配はありません。

また子どもで2,3日の発熱の後に一方の首筋のリンパ節が多数はれてきて、それとともに首が痛みのために回らなくなることがあります。リンパ節は首の筋肉に沿って小さくいくつもはれています。
これも一種のかぜのウィルスのいたずらのせいと考えられ、ふつうは2,3日で痛みも軽くなり、首も回るようになります。しかしまれに首筋のはりがとれずに、首の運動制限が続くことがあります。

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)はリンパ節のはれではありません。しかし耳の下(耳下腺)やあごの下(顎下腺)がはれてくるために、首のリンパ節のはれと見間違われるかも分かりません。耳下腺のはれは耳たぶをはさむように耳の下がはれてきます。耳下腺は分かりやすいのですが、おたふくかぜで顎下腺がはじめにはれてくるとリンパ節のはれと間違われるでしょう。慣れてくるとさわると分かります。

耳下腺がはれるのはおたふくかぜの場合と、かぜのウィルスによる良性反復性耳下腺炎と呼ばれるものがあり注意が必要です。区別に困難なときもありますが、一般に良性耳下腺炎でははれが翌日からひいてくるのに対して、おたふくかぜでは徐々にはれが強くなることから区別が可能です。もちろんおたふくかぜでは、特徴的な経過をとれば診断は迷うことはありませんが、片一方だけの耳下腺炎のときや顎下腺のはれだけのときには診断が困難です。こういうときには一ヶ月くらい間隔を開けてから、抗体価の変化で診断します。

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