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急病センター受診の前に・・・パズルで分かる「子どもの病気」

子どもの急病:血便

急病センターでよく見られる症状 「 血便 」があるときは・・・
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・家庭の医学-子ども-腸重積
・家庭の医学-子ども-げり
 

( 血便 )こんなときは急いでみてもらいましょう!

「血便が出た」「肛門から出血した」というときに注意しなくてはならないのは、本当に血液が出ているかということです。未消化のトマトやのりなどの食べ物、抗生物質(セフゾンの赤黒い便は有名です)によるものを血便と思いこむことがあります。

便に血が混じるときに、色の変化には三通りあります。

  1. 目で見てすぐ血液と分かる赤い血が便のところどころについているのは、肛門の近くからの出血が考えられます。
  2. 粘血便といってねばこい腸の粘液にピンク色の血液が混じっているときには、大腸からの出血が考えられ、腸重積や食中毒(細菌性腸炎)などで起こります。
  3. コーヒー色または黒色便はタール便ともいわれ、胃や腸からの広い範囲の消化管からの出血を考えます。

出血の疑いのある便は捨てないで、オムツのまま医師にみてもらうようにしましょう。

新生児から乳児期の血便

  • 新生児出血性素因:ビタミンK欠乏症が原因となることが多くなります。
  • 腸回転異常:腸閉塞のため腸が壊死を起こし大出血します。
  • 胃食道逆流:逆流性食道炎(胃液が食道の方に逆流して起こります)のため、血便とともに吐血します。
  • 腸重積:腹痛、おう吐、粘血便が起こります。乳児期にはこれらの症状が現れず、何となくぐったりしていることもあります。
  • ミルクアレルギー:慢性のげり、おう吐、発疹などに伴って、少量の血便が出ることがあります。

乳児から幼児期・年長児の血便

  • 出血性大腸炎:食中毒(細菌性腸炎)が原因で起こります。
  • 腸重積:詳しくは 家庭での医学-子ども-腸重積 をご覧ください。
  • 炎症性腸炎:潰瘍性大腸炎、クローン病といわれるもので子どもではまれな病気です。
  • 血管性紫斑病:アレルギー性紫斑病とも言われ、がんこな腹痛と関節痛、手足の内出血(紫斑)を認めます。かぜなどが原因で起こります。 
  • 痔、裂肛(切れ痔のこと):便の外側に血液が付着します。
  • 大腸ポリープ:子どもの大腸ポリープは家族性・遺伝性のものがほとんどで、まれな病気です。

( 血便 )緊急受診のポイント

血便でもっとも大切な病気は腸重積でしょう。腸重積に限らず、子どもが血便を出してぐったりして元気がない、腹痛やおう吐があるときはためらわずに緊急病院を受診しましょう。
反対に血便が出ても元気できげんのよいときは、あわてずに様子をみて、翌日受診してもよいでしょう。便を忘れずに持参するようにしましょう。

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